米国債:1カ月物TB上昇、利回り2.36%-サブプライム損失懸念

米国債市場では1カ月物財務省短期証券 (TB)が上昇。利回りは8月以来の低水準となった。サブプライム(信用力 の低い個人向け)住宅ローン関連証券の損失が拡大するとの懸念を背景に、安 全資産を求める買いが短期債に入った。

米証券大手のベアー・スターンズが発表した9-11月期(第4四半期)決 算で最終損益が上場来で初めて赤字となり、短期債の買いを誘った。同社は住 宅ローン関連で19億ドルの評価損を計上することも明らかにした。金融保証 大手MBIAの株価は急落。住宅ローン関連証券や債務担保証券(CDO)を 基に再組成した新たなCDO、いわゆる「CDOスクエアド(2乗)」を同社 が81億ドル相当保証していることを明らかにした。

SEIインベストメンツの債券運用責任者、ショーン・シムコ氏は「経済 にとって悪いニュースが続く限り、米国債買いが活発に入るだろう。それは不 透明感が晴れていないことを示唆している」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時 8分現在、1カ月物TB利回りは前日比20ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01ポイント)低下して2.36%。一時は2.3%と、8月21日以来の水準ま で低下した。2年債利回りは3bp低下の3.07%。

格付け会社はMBIAなど金融保証会社の格付けの見直し作業に入ってい る。保証する証券の格下げで損失が発生した場合、補てんするのに十分な資本 がないかもしれないとの懸念が背景。

モルガン・キーガンの政府・機関債トレーディング部門のマネジングディ レクター、ブラント・カーター氏は「資金を手元に戻す動きが強い。市場参加 者はとにかくリスクから直ちに逃れようと懸命だ」と指摘した。

雇用と製造業

10年債はほぼ変わらずとなり、利回りは4.04%。新規失業保険申請件数 が増加し、フィラデルフィア連銀製造業景況指数がマイナスに転じたため、追 加利下げ観測から買いが優勢となったが、その後は伸び悩んだ。

MFRの市場アナリスト、カール・スティーン氏は「労働市場がかなり弱 くなってきているが、一時的なトレンドではない。それが年明け後も国債に買 いを入れる根拠になり、追加利下げを予想する理由だ」と述べた。

15日に終わった1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週 比1万2000件増の34万6000件だった。ブルームバーグ・ニュースがまと めたエコノミスト調査の予想中央値は33万5000件。4週間移動平均は34万 3000件と、2005年10月以来の高水準。フィラデルフィア連銀指数はマイナ ス5.7と前月の8.2から低下した。同指数のマイナスは景況感の縮小を示す。

米連邦準備制度理事会(FRB)のデータによると、資産担保コマーシャ ルペーパー(ABCP)の発行残高が4カ月ぶりの大幅な減少となった。期間 270日以内のABCPは19日に終わった週に前週比3.48%減少し、7640億 ドルとなった。

「安全な逃避先」

サントラスト・バンクの個人資産運用部門ストラテジスト、アンディ・リ ッチマン氏は「どのようなCPにも買い意欲がなく、市場参加者は安全な逃避 先を求めている。リスクを敬遠する雰囲気が強い」と述べた。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物相 場が示す1月の0.25ポイントの利下げ確率は92%と、前日の86%から上昇 した。

スティーン氏によると、年金基金なども年末を控えて安全な資産を求めて TB買いに動いているという。

短期金利

米財務省は24日の定例入札で3カ月物TBを200億ドル、6カ月物を 190億ドル発行すると発表した。規模はそれぞれ前週の発行額を10億ドル下 回っている。

ニューヨーク連銀は来週償還を迎える140億2000万ドル相当の保有TB を再投資せず、資金供給に備えた手持ち資金として保留する意向を明らかにし た。

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