11月貿易黒字額は12.2%減、4カ月ぶり減少-原油高で輸入増(2)

11月の貿易収支黒字額は、原油価格の高騰 により輸入金額が膨らんだことで、前年同月比で4カ月ぶりに減少した。アジ ア向けなどの輸出が増加したが、米国向け輸出が3カ月連続で減少し、外需主 導の景気回復に不安を示す内容となった。

財務省が20日発表した貿易統計速報(通関ベース)によると、11月の貿易 黒字額は前年同月比12.2%減の7974億円だった。輸出は同9.7%増の7兆2720 億円、輸入は同13.2%増の6兆4746億円と過去2番目の高水準だった。ブルー ムバーグ・ニュースがエコノミスト35人を対象に事前に調査したところでは、 11月の貿易収支(原数値)の黒字額は予想中央値で9175億円が見込まれていた。

内需拡大の裏づけのない中、原油高騰に伴う輸入額の増加は、コスト増加 を通じ企業収益を圧迫するほか、賃金上昇が伸び悩むなかで、生活必需品の値 上げは個人消費を低迷させるリスクがある。米国のサブプライム(信用力の低 い個人向け)住宅ローン問題に伴う米国経済の減速の度合いが今後、新興国を 含めた世界経済をどの程度下押しするかも輸出を占う上で焦点となる。

第一生命経済研究所の新家義貴主任エコノミストは発表前に、「10-12月期 の輸出が当初の予想通りはっきりと減速に向かうのか、新興国向け輸出に支え られて好調さが続くのかを判断する上で、11月の輸出動向は重要である」と述 べていた。

円建て原油通関単価は25年ぶりの高値

財務省によると、原粗油の円建て輸入通関単価は11月に1キロリットル当 たり5万7994円で、1982年11月以来25年ぶりの高値を付けた。ドル建て単価 は1バレル当たり81.1ドルと過去最高を付けた。

原粗油の輸入金額は前年同月比50.7%増加したほか、液化天然ガスも同

36.5%増え、全体の輸入金額を押し上げた。

地域別でみると、対米貿易黒字額は前年同月比14.7%減の7243億円。対ア ジア貿易黒字額は同53.5%増の7684億円、対EU(欧州連合)貿易黒字額は同

4.7%増の3554億円だった。米国向け輸出は自動車が9.2%減少したほか、建設 用・鉱山用機械が米サブプライム(信用力の低い個人向け)ローン問題の影響 で住宅着工件数が減少している影響を受け、同39.1%減少した。

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