3社連合の株価反応鈍い、薄型パネルで包括提携報道-戦略の延長線上

松下電器産業、日立製作所、キヤノンの 株価がいずれも小動き。19日付の日本経済新聞朝刊は、松下電産など3社が 薄型パネル事業で包括提携する方針と報じたものの、市場では報道内容は新味 に乏しいとの声が上がっている。

日経新聞報道は、日立のパネル子会社に松下電産とキヤノンが出資し、次 世代画面の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)を共同で事業化。さらに 松下電産が日立の液晶パネル製造子会社を傘下に収め、3000億円規模を投じ て工場を新設するとの内容だった。

同紙は、これにより日本のパネルメーカーは3社連合、シャープ、ソニー の3陣営にほぼ集約されるため、韓国や台湾勢を含めた世界的再編の引き金に なりそうと意義を強調している。

ただ3社は、報道に関して「何も決まっていない」(松下電産)、「決定 した事実はない」(キヤノン、日立)とのコメントを相次いで出した。

相場環境が良ければ

みずほインベスターズ証券調査部の大澤充周シニアアナリストは、報道内 容は「3社の戦略の延長線上」だと分析。さらに、「市場の地合い全般が良け れば、再編期待をはやして3社の株価が上昇したかも知れない」(同氏)もの の、さえない相場環境の中で材料視もされにくかったと見ている。

モーニングスター調査分析部の鈴木英之シニアアナリストも、「今回の提 携はあくまで戦略であり、これで急激に業績が良くなるということではない」 と述べ、19日の株価にもこの事情が反映されたとの認識だ。

また鈴木氏は、日経報道が事実であれば、「三者三様にメリットがある」 と指摘。薄型パネルの採算悪化が続く日立にとっては、「中小型液晶の負担が 減る」(同氏)といい、プラズマ世界最大手である松下電産にとっては、液晶 に本格展開する足掛かりが出来る。キヤノンについては、単純にパネルを調達 できる面がある。

松下電産は、プラズマテレビの世界最大手ながら、今期(2008年3月 期)のプラズマTV販売見込み500万台に対し、液晶テレビは400万台と液晶 へのシフトを強めている。日立にとっても、薄型パネルはハードディスクと並 び、採算改善が急務だ。

日経新聞報道によると、キヤノンは日立のパネル子会社への資本参加を通 じて有機ELを調達、自社のデジタルカメラのファインダーに使う方針。みず ほイ証の大澤氏は、「もしも有機ELをテレビに使うとの内容が出れば、イン パクトがあった」と述べている。また大澤氏は、松下電産が液晶の調達を強化 したとしても、「プラズマで手を抜くわけではない」との見解を示した。

一方、キヤノン傘下で有機EL製造装置を手掛けるジャスダック市場上場 のトッキ株は、一時9.3%高の624円と急伸している。

--共同取材:林 純子  Editor :Shintaro Inkyo

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Mitsuhiro Osawa Hideyuki Suzuki Junko Hayashi

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