ECB総裁:予想より「長引く」インフレ高進に直面-議会証言(2)

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は 19日、ユーロ圏経済が従来予想されていたよりも「長引く」インフレ高進に直 面していると述べ、金融市場の信用収縮緩和を目的とした利下げを近いうちに実 施する予定がないことを示唆した。

トリシェ総裁はブリュッセルで開かれた欧州議会の経済金融委員会で証言し、 「中期的な物価安定に対するリスクは、明らかに上振れ方向にある」と指摘した 上で、「ECBの政策委員会は、この上振れリスクに対応する準備ができてい る」と語った。

11月の欧州インフレ率は、食品価格高騰の影響で3.1%に加速。インフレ率 がECBの目標とする2%を少し下回る水準を引き続き上回るリスクが、ECB の利下げを阻んでいる。

トリシェ総裁は、食品と原油価格の大幅な上昇がインフレの「強い上振れ」 リスクを生み出していると述べた。また同総裁は「物価安定を伴うインフレ期待 の抑制が重要だ」との見解を示すと同時に、景気へのリスクは「強い不透明感」 の影響で「下振れ方向」にあると話した。

資金供給

ECBは今月、世界的な信用コスト上昇を受け政策金利を4%に据え置いた。 その後、信用収縮緩和のため金融システムへの資金供給を実施しており、18日 には5000億ドル(約56兆5000億円)を供給した。

トリシェ総裁は、年末年始の流動性が限定的だとの市中銀行の不満にECB が応えているとの見解を示し、「不透明感を考えると今後の金融システムにおけ る調整過程は厳しいものになるとみられ、われわれは常にリスクの現実化に対す る準備をしておかなければならない」と述べた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE