ベネッセ副会長:M&Aを継続、塾や高齢者・社会人向け事業強化

通信教育最大手ベネッセコーポレーション はM&A(企業の合併・買収)を今後も積極的に進める。少子高齢化が加速し、 主力の通信教育「進研ゼミ」の会員数が減少傾向にあるため、通信教育から領域 を広げて塾などを買収し、教育事業を強化したい考え。M&Aを通じて高齢者・ 社会人向け事業も拡充する方針。

ベネッセの福原賢一副会長兼最高経営責任者(CEO)補佐がブルームバー グとのインタビューで明らかにした。同副会長は今後のM&Aについて「きわめ て積極的に考えている」と述べた。今後はこれまで注力してきた家庭内通信教育 の枠を超えた「子供たちが学べる場の確保やコンテンツ(内容)などを追求して いきたい」としたほか、「大人向けの通信教育や新社会人向けの教育、年齢層を もう少し上に広げていく」とも語った。

ゼロ歳から18歳の大学進学までとする教育事業は、ベネッセの売上高の約 59%、営業利益の約98%を占める収益の柱だが、将来的に会員数の維持は困難が 予想されることから、同社は新たな収益源を模索している。このため近年、学習 塾の買収を始めたが、今後もM&Aによってさらに同事業の強化やビジネスの対 象年齢層の拡大を狙う。

福原副会長は「さまざまな形でM&Aを今後もやっていく」との考えを示し、 その原資については「バランスシート上で巨額のキャッシュがあるのは健全では ない」として、潤沢なキャッシュを投じる意向を示唆した。買収総額は「年間 200億-300億円をめどとして案件を考えていく」という。ただ、この額はあくま でも目安としている。

コスモ証券の岡敬アナリストは「少子化が進むなか、教育市場自体が拡大成 長することは難しい。対面で行う塾や大人向けの教育など、ベネッセの既存ビジ ネスを強化・補完し合えるようなものを買収していくことはベネッセの成長チャ ンスにつながる」とみている。

塾買収は「新たな『場』の展開」

ベネッセが当初、純投資を目的として出資した小学生から高校生向け学習塾 運営の明光ネットワークジャパン(東京・豊島区)については「たいへん優れた 経営をしているという認識がある。関係を深めていくことを意識していきたい」 と述べ、業務提携や株式買い増しなどさらに踏み込んだ関係構築に期待を寄せた。 ベネッセは10月17日付で学習塾子会社の東京個別指導学院(東京・中央区)が 保有する明光ネット株約14%を33億円で取得、現在は第2位株主となっている。

福原副会長は、これまでベネッセが注力してきた通信教育は「子供たちの家 庭内でのモチベーション(士気)に大きく依存しており、このモチベーションの 低下が叫ばれている」と指摘。教育の場として紙ベース以外の「新たな場の展開 が必要」とみており、塾の買収もその1つと説明する。

ベネッセは2006年には現役高校生向け学習塾で難関私立大学受験に強いお茶 の水ゼミナール(東京・千代田区)を、07年には小学生から高校生対象の個別指 導塾を展開する東京個別指導学院を買収、子会社化した。今月12月には中高6年 一貫校の生徒を対象とした東京大学や医学部など難関大学・学部専門の進学塾、 鉄緑会(東京・渋谷区)の買収も決めた。

2008年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比7.3%増の3806億円、営業 利益が同6.3%増の333億円、純利益が同4.7%増の191億円。6月に子会社化し た東京個別の業績は9カ月分が含まれ、売上高で126億円、営業利益で12億円が 上乗せされる。

インタビューは12日に実施した。

ベネッセの株価午前終値は前日比20円(0.4%)安の4550円。

--共同取材: 矢田康子 Editor:Tetsuki Murotani

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