不動産株が安値模索、住宅着工の回復遅い-GDP成長率も下方修正

不動産株が安値を模索。建築基準法の改正 による住宅投資の落ち込みが長期化し、関連企業の収益に悪影響を及ぼすとの 見方が強まっている。TOPIX不動産業指数は直近5日間で東証33業種中最 も下落した。住宅投資が予想以上に落ち込んだため、政府が2007年度の国内総 生産(GDP)成長率の下方修正を余儀なくされるなど、日本経済全体にも悪 影響を及ぼし始めている。

改正建築基準法で着工減

かざか証券・市場調査部の田部井美彦部長は不動産株について、「国内で は住宅市場の低迷を含めて消費が伸び悩んでいるうえ、海外ではサブプライム 住宅ローン問題もあり、株価の上昇は当面期待できない」と考えている。田部 井氏は「金利の引き上げは当面ないとみられ、住宅購入の駆け込み需要も見込 めない」ことから、不動産市況を喚起する起爆剤が見当たらないとみている。

6月に施行した改正建築基準法により、必要書類の増加や認可までの期間 の長期化、審査の厳格化が見られ、これが新設住宅着工戸数の落ち込みにつな がっている。国土交通省が11月30日に発表した10月の新設住宅着工戸数は前 年同月比35%減の7万6920戸。過去最大の落ち込み幅を記録した9月の同44% 減からマイナス幅は縮小したものの、4カ月連続でマイナスとなっている。

また不動産経済研究所が13日発表したところによると、11月に首都圏で発 売されたマンションは前年同月比44%減の3868戸と、11月としては16年ぶり に4000戸を割り込んだ。07年(1-11月)累計は5万2831戸にとどまり、年 間で1993年以来の6万5000戸割れが現実味を帯びてきた。

モーニングスター調査分析部の鈴木英之シニアアナリストは「新設住宅着 工戸数の落ち込みは来年前半まで続きそう」と悲観的な見方をしている。建設 業界は「資材や人件費が上昇しているうえ、粗利率が低下しており、大手建設 会社でも収益は厳しい」と語り、住宅着工の落ち込みが企業業績の悪化につな がることに警戒感を示した。

政府もGDP成長率を下方修正

政府は19日午前、臨時閣議を開き、07年度の実質成長率を1.3%と内閣府 試算の2.1%から大きく下方修正した。改正建築基準法の影響で住宅投資が大き く落ち込み、成長率を押し下げていることを踏まえた。

モーニングスターの鈴木氏は「改正建築基準法の影響は住宅問題にとどま らない。検査の厳格化で建設が遅れ、工場や店舗が完成できず、消費にも悪影 響を与えている。政府は配慮が足りなかったのはないだろうか」と苦言を呈す る。この件について福田康夫首相は19日午前の臨時閣議後の記者会見で、政策 の結果を十分に予知せずに経済的な悪影響を及ぼしたことを反省しなければい けないとの考えを明らかにした。

TOPIX不動産業指数は18日に、年初来安値1488.09ポイントを付けた。 同指数は12日から18日までの5営業日で13.7%下落。33ある東証業種別指数 のなかで下落率1位。この日も前日終値を下回る場面も見られ、個別銘柄では 飯田産業が前日比32円(4.2%)安の736円、明和地所が2.8%安の1045円が 年初来安値を更新した。

--共同取材:伊藤辰雄、廣川高史、桑子 かつ代

Editor:Makiko Asai 、Shintaro Inkyo

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