ウォール街:中国や中東から資金注入2.8兆円-サブプライムで資本不足

ウォール街の金融機関はアジアと中東から、 合計で250億ドル(約2兆8300億円)の資金注入を受けることになった。米国 のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン危機で痛んだバランスシ ートを修復するため、海外からの出資受け入れに至った。

中国政府の投資ファンド、中国投資公司は50億ドル(約5700億円)で、米 モルガン・スタンレーの持ち分10%近くを取得する。モルガン・スタンレーは 19日、94億ドルの評価損と、四半期赤字を発表した。シティグループとUBS、 ベアー・スターンズも業績低迷を受け海外の政府系ファンドから資金を受け入 れている。

中国への投資に関する著書のあるウィンストン・ウェニアン・マ氏は「米国 で最新のバブルがはじけたとき、金融システムの救済を誰に頼めるというの か」として、「国内の流動性がなくなっているのだから、海外の資金に頼るしか ない」と指摘した。

UBSは先週、シンガポール政府投資公社(GIC)と中東の投資家に転 換社債を売却して130億スイス・フラン(約1兆2760億円)を調達した。シテ ィグループは11月にアラブ首長国連邦(UAE)を構成するアブダビ首長国 から75億ドルの出資を受けた。ベアー・スターンズは10月に、中国政府の投 資部門である中国国際信託投資(CITICグループ、中信集団)に株式を売 却した。

ボストンの投資銀行、レーン・ベリーの会長兼最高経営責任者(CEO)、 フレデリック・レーン氏は「海外勢は米国の金融市場インフラを買っている」 として、「彼らは長期ビジョンに基づいて、投資する価値があると考えている」 と論評した。

モルガン・スタンレーとシティ、UBS、ベアー・スターンズは住宅ロー ン関連で合わせて約390億ドルの評価損を公表している。

金融機関への海外勢の出資に対する米国の対応は少なくとも今のところ、 ドバイの国営港湾管理会社、DPワールドが英海運会社買収を通じて米国の港 湾施設を取得した際とは大きく異なっている。DPワールドの米港湾施設運営 には米議会が国家安全保障の観点から反発し、同社は結局、施設を売却した。

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