ナナオ社長:社内「憲法」死守-モニターの100%自社開発・国内生産

「EIZO」ブランドの表示装置(モニ ター)メーカー、ナナオ(石川県白山市)の実盛祥隆社長は18日放映のブル ームバーグ・ニュースのテレビインタビューで、液晶業界が世界規模で激しい 価格競争を繰り広げる中でも、「100%の自社開発と国内生産」という「憲 法」を堅持する方針を示した。

同社は医療、航空管制、画像処理といった専門市場に高精細製品を供給。 「特定のハイエンド市場で世界ナンバーワンを目指す」(実盛氏)戦略が寄与 している。2007年9月中間期はパチンコなど娯楽用モニターの販売減で全体で は減収減益となったものの、営業利益は45億円と売上高比で11%を確保。セ ットメーカーとしては高水準を保った。

液晶テレビも手掛けているが、中国や韓国などから低価格パネルを調達し、 ローエンド製品も品ぞろえに加える家電メーカーとはひと味違い「世界で一番 いいと社員全員が思える商品しか出せない企業文化」(同)を貫く方針。

インタビューは13日に収録した。主な発言は次の通り。

事業の目標:

「医療、画像処理、航空管制の各市場で世界ナンバーワンになるのが志で あり戦略。特に医療はトップを目指す時期を10年3月期からの次期中期経営 計画で明確にしたい」

「現中期計画で医療と画像処理の両分野は年35%前後の成長予想のほぼ範 囲内で推移。しかし、金融や公共、コンシューマー向けを含めた汎用モニター の売り上げは想定を10%前後下回っている」「このため、今期の業績予想は売 上高1030億円、経常利益120億円と、計画の数値(売上高1150億円、経常益 138億円)から下振れている」

07年に独シーメンスの医療モニター事業と米テックソース社を買収した:

「ナナオは診断用では強かったが手術用などには参入し切れていなかった。 半面、シーメンスはそこが非常に強かった。買収により、トータルのソリュー ションを提供できる唯一のメーカーとなるため、積極的に遂行した」「テック ソースの買収も、航空管制向けモニターで互いの強みを組み合わせるのが目的。 彼らの方から一緒にやらないかと話があり、あっという間にまとまった」

主役はブラウン管から液晶に移行したが:

「ブラウン管モニター全盛期の1997年にいち早く液晶を出した。もとも と納入先として強みを持っていたディーリングルームで、省スペースかつ省エ ネルギーの液晶を待望する声が強かったため商品を投入。結果として液晶も 『EIZO』だと認知された」

「汎用モニターの競合相手はほとんどが中国などからのOEM(相手先ブ ランドによる生産)依存型だが、われわれは100%自社開発。こういうポジシ ョニング維持で、デバイスメーカーとのコラボレーションができる数少ないセ ットメーカーであり続けられるだろう」

「ただ、100%自社開発し100%日本で生産していると当然コストがかかる ため、それ以上の付加価値を今後とも創出することが大きな課題」

モットー:

「欧米で13年を過ごした経験から、フェアでありたい、困難から逃げな いというのが信条」。実践例としては「競争が厳しいから中国に行くのではな く国内で苦しくても頑張る、製品に不具合が起きたら全ユーザーに開示しきち んと対応する、などだ」

自主生産・開発は貫くか:

「憲法みたいなもので、変えることはない。日本企業が世界で生き残る、 あるいは成長していくには最先端技術を使い価値を創造していく以外に策はな いと思う」

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