日本株(終了)5日続落、米景気懸念で輸出売り-コマツ3000円割れ

東京株式相場は、小幅ながら5日続落。 米国景気の先行き不安を背景にキヤノンやコマツ、ニコンなど対米依存度の高 い輸出関連株が売られ、特に海外需要に関する悪材料が重なった機械株の下げ が大きくなった。コマツ株は終値ベースで4カ月ぶりに3000円を割り込み、 4月以来の安値水準。

安田投信投資顧問の礒正樹株式運用部長は、「FRB(米連邦準備制度理 事会)から景気を好転させる策が出なければ、景気減速をただ待つのみとなり、 世界の株式市場にとってマイナスだ」との認識を示した。礒氏によると、「デ ィフェンシブ色を強めたポートフォリオが引き続き選好されるだろう」という。

日経平均株価の終値は前日比41円93銭(0.3%)安の1万5207円86銭、 TOPIXは2.93ポイント(0.2%)安の1469.77。東証1部の売買高は概算 で20億6614万株、売買代金は同2兆6185億円。値上がり銘柄数は805、値下 がり銘柄数は802で、ほぼ均衡だった。日経平均株価は心理的節目である1万 5000円に接近する場面もあったが、午後の取引終了にかけて下げ渋った。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が13、値下がり業種は 20。電気機器、機械、その他製品、精密機器、保険、輸送用機器が安い。半面、 銀行、情報・通信、鉄鋼、不動産、小売は高い。

景気懸念と売られ過ぎの綱引き

この日は、「景気先行き不透明感」と「日本株の売られ過ぎ」との綱引き 相場。午後の取引開始直後には株価指数が前日終値に比べてプラス圏に浮上す る場面も見られたが、結局終値で反発するまでには至らなかった。

17日の米国株市場では、12月のニューヨーク地区製造業景況指数の低下、 アナリストによる半導体メモリー大手マイクロン・テクノロジーの損失拡大見 通し、米建設機器販売が来年減少するとのモルガン・スタンレーの予測など、 景気失速への懸念が台頭。一方で景気を下支えする金融政策は消費者物価の上 昇によるインフレ警戒から自由度が低下しており、電機や精密機器、機械、自 動車など対米依存度の高い輸出関連株は、業績不透明感からきょうも軟調に推 移した。

米国景気失速懸念の高まりに加え、米国時間18日には11月の住宅着工戸 数、米大手証券ゴールドマン・サックス・グループの決算発表を控え、「様子 見気分も強い」(SMBCフレンド証券の中西文行ストラテジスト)という。 ブルームバーグ・ニュースの事前調査によると、住宅着工件数は117万6000 戸と前月比4.3%減が予想されている。

機械株の下げきつい

輸出関連株の中でも、建機を中心とする機械株の下げがきつかった。売買 代金3位のコマツが前日比4.4%安と急落して3000円台を割り込んだほか、日 立建機や三菱重工業、住友重機工業なども安い。TOPIXの業種別下落寄与 度で機械は電気機器に次ぐ2位となった。

17日の米国では08年の米建設機器販売の減少見通しから最大手のキャタ ピラーが11月27日以来の安値に売り込まれたほか、中国の買い控えで輸出向 け中古建機の価格上昇が一服したと18日付の日本経済新聞朝刊が報じたこと も響いた。みずほインベスターズ証券投資情報部の稲泉雄朗部長は「中国需要 が鈍化すれば、米景気減速の影響が大きくなる」と指摘していた。

なお、野村証券金融経済研究所の斎藤克史アナリストは18日付の投資家 向けメモで、「11月に中古建機の価格が下がった主因は中国市場の季節性のた め」と分析。11月の中国での新車の油圧ショベル販売台数は前年同月比75% 増となり、足元でも高成長が続いていると記事に反論していた。

1万5000円台では踏みとどまる

もっとも、日経平均は午前に一時245円安の1万5004円まで売られたも のの、心理的抵抗線の1万5000円直前では踏みとどまった。12日からきょう の安値水準までで下げ幅は1040円(6.5%)と1000円を上回り、一部では売 られ過ぎも意識されている。抵抗線を維持したことで外国為替市場ではその後、 円の買い戻しが一服となったことも心理的な下支え要因となった。

SMBCフ証の中西氏によると、「日経平均1万5000円はPER(株価 収益率)15.9倍と16倍を割り込む水準で、割安感が高まりやすい」と強調。 11月安値時点でも、この水準では「内外機関投資家の機械的な買いが入りやす かった」(同氏)という。続落期間中の下げを業種面でリードしていた銀行株 が切り返すなど、下値に対する抵抗力も見せた。

また、安田投信の礒氏は「アジアやBRICS株に過熱感があると考え、 グローバル運用の投資家は一部資金を欧米や日本にシフトさせている」と指摘。 日本株は利回り逆転などで割安との認識が広がっているとしており、「あとは センチメントの好転待ち」(同氏)としている。

サカイオベが急落、携帯コンテンツは急反発

個別では、社員の不正行為による架空の売上高計上があきらかになったサ カイオーベックスが急落。三菱UFJ証券が目標株価を引き下げた三陽商会、 UBS証券が目標株価を引き下げたリコーも安い。東証1部の下落率上位では、 東北ミサワホーム、千代田化工建設、アルプス電気、チャイナボーチなどが売 買を伴って下げた。

半面、モルガン・スタンレー証券が強気を継続させたディー・エヌ・エー が東証1部値上がり率3位となり、フェイスも同2位となるなど携帯コンテン ツ関連株は急反発。中堅・大企業向けの一括電子購買システムの「アスクルア リーナ」の売上高が伸びたアスクル、ゴールドマン・サックス証券が投資判断 を再び「買い」に戻したIHIがともに急伸。総務省が次世代高速無線通信の 免許を与える方針と18日付の日本経済新聞朝刊が伝えたKDDIは反発した。

国内新興市場は反発

新興市場は4日ぶりに反発した。携帯コンテンツ関連株に対する過度の悲 観が後退したことで、ミクシィやザッパラス、エムティーアイ、インデック ス・ホールディングスなど関連株が軒並み急反発。時価総額の大きい同企業の 上昇や、東証1部のソフトバンクが9日ぶりに上昇したことも心理的に追い風 となった。半面、アッカネットワークス、アールエイジ、ダヴィンチ・アドバ イザーズは安い。

アッカについては、NTTドコモとの連合で免許取得を目指していた次世 代高速無線通信について、総務省がKDDIとウィルコムに内定したとの報道 があった。

ジャスダック指数の終値は前日比0.44ポイント(0.6%)高の71.47。東 証マザーズ指数は16.49ポイント(2.1%)高の800.61。大証ヘラクレス指数 は2.19ポイント(0.2%)高の1215.43。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE