IHI株が急反発、調査委報告受けGS証が判断「買い」に戻す(2)

国内重工業3位のIHI株が急反発。一 時は前日比8.6%高の241円を付け、投資家の短中期的な売買コストを示す25 日移動平均線(234円)を5営業日ぶりに回復した。業績悪化を受けて12月 12日には52週安値の194円を付けるなど低迷が続いていたが、この日はゴー ルドマン・サックス(GS)証券がいったん中断していたIHIの投資判断に ついて、あらためて「買い」に戻し、目標株価を308円としたことで、見直し の動きが活発化している。午前終値は6.8%高の237円。

IHIは、エネルギー・プラント事業で巨額営業赤字に陥り、前期(2007 年3月期)決算を大幅減額修正したほか、今期(08年3月期)業績予想を修正 している。9月28日の巨額営業赤字の発覚を受けて以来、同社株は今月12日 の安値まで2カ月半あまりで46%下げていた。

10月から前日までの日経平均225採用銘柄の騰落状況を見ると、IHIは 39%安で、DOWAホールディングス、東邦亜鉛、太平洋セメントに次いで下 落率4位。

GS証の境田邦夫アナリストらは18日付の投資家向けメモで、再び格付 けを「買い」とした経緯を説明。12日に社内・社外調査委員会の調査結果が公 表され、この中で2007年3月期業績の遡及修正の原因であるエネルギー・プ ラント部門の大幅な損益悪化に関し、調査委が財務部門に明らかに不適切な対 応を見出すことはできなかったと、結論付けたことを挙げた。

一方、東証が11日付でIHI株を監理ポストに割り当てたため、GS証 でも投資判断を中断。境田氏によると、「監理ポスト指定の決定が『上場廃止 につながる未公表事象の存在』リスクを感じさせた。しかし、調査委の結果公 表や、中間決算発表を通じ、9月の下方修正時と比較して新たに上場廃止につ ながる事象は公表されなかった」という。

IHIは12日、業績予想の大幅修正に至った原因や再発防止策などを取 りまとめた社内調査委員会の調査結果および、社内調査委の検証を行ってきた 社外調査委員会の調査結果を公表した。社内調査委の報告では、業績予想の大 幅悪化の原因として、「建設工事の集中」「工程混乱によるコスト増加」「工 程混乱による中間原価の把握遅れ」「請負金増額交渉の問題」などを指摘。社 外調査委員会の報告書では、長期大規模工事のコスト増大や計画利益減少によ る採算悪化が集中的に発生したことが主因と指摘し、意図的な損失隠しや先送 りをうかがわせる事実は見受けられなかったと総括している。

またIHIは14日、今期の中間期連結純損益が373億円の赤字と発表。 また、前期の連結純損益は中間期が101億円の赤字、通期が46億円の赤字に 訂正した。

このほか、米系格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P) は17日、IHIについて、前期決算の修正と事業改善策の一連の発表を受け、 格付けを変更することを考えていないと発表した。リスク管理能力の改善を信 用力評価に反映することには慎重な見極めを要する、と考えているほか、今期 の業績予想が大きく変更されていないと指摘している。

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