東京外為:円に買い戻し圧力、世界株安で円キャリー敬遠-112円後半

朝方の東京外国為替市場では円の買い戻し 圧力が続いている。ドル・円相場は1ドル=112円80銭前後と、前日のニュー ヨーク時間午後遅くに付けた112円95銭から円高に振れて推移している。世界 的な株安を背景にリスク選好的な円キャリートレード(低金利の円で調達した 資金を高金利通貨などに投資する取引)を回避する傾向が強まっている。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部の斎藤裕司部長は、世界的に株 価が下落しており、「リスクリダクション(リスクの削減)と考えると、ドル買 い、クロス・円(ドル以外の通貨と円の取引)では円買いになる」と指摘。日 中は引き続きアジアの株価動向を見ながらの展開を予想している。

米株は続落、VIX上昇

17日は日本を初めとするアジア株が全面安となったほか、欧州株や米国株 も下落。米株式投資家のセンチメントを示すシカゴ・オプション取引所(CB OE)のボラティリティ指数(VIX指数)は24.52と、11月27日以来の水準 まで上昇している。

リスク投資の代表格とされる株式が世界的に下落基調にあるなか、外為市 場では積極的に金利差益を追求する動きが収縮するとの警戒感が広がりやすく、 円キャリートレードの解消圧力が強まる可能性がある。

前日の海外市場では円の買い戻しが進んでおり、前週末に11月7日以来の 円安値113円60銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)を付けていたド ル・円相場は112円台後半までドル安・円高が進んだ。ユーロ・円相場も一時 1ユーロ=162円35銭と、12日以来の水準まで円が値を戻し、この日の東京市 場も162円台前半で取引されている。

一方、ユーロ・ドル相場はレパトリエーション(自国への資金回帰)に伴 うドル買いなどで、前日に一時1ユーロ=1.4331ドルと、10月26日以来の水 準までユーロ安・ドル高が進行。この日の東京市場では1.44ドルちょうどを挟 んで推移している。

SG銀の斎藤氏は、10月の対米証券投資を見ても、夏以降はサブプライム (信用力の低い個人向け)の話が出てきた段階で、時間差で安全資産である債 券に資本が移動していることは間違いなく、11月中旬ぐらいにでき上がった「リ スクが出るとドルが買われ、円が買われるという図式が依然として続いている」 と説明する。

米サブプライム関連の懸念材料続く

こうしたなか、米国ではサブプライム住宅ローン問題に絡む懸念材料が後 を絶たない。米地銀のナショナル・シティーが17日に当局へ提出した文書によ ると、同行は10月と11月に住宅ローン担保証券に関連し2億ドルの費用を計 上。10-12月に約7億ドルの貸倒引当金を積む見通しという。

約2週間前に会社更生手続きを申請する方針を明らかにしていた固定金利 型住宅ローンを専門に取り扱うサブプライム住宅ローン会社の米デルタ・ファ イナンシャルは17日に破産法の適用を申請した。

全米ホームビルダー協会(NAHB)が前日に発表した12月の米住宅市場 指数は19と、1985年の指数導入以来の最低水準にとどまった。また、ニューヨ ーク連銀が発表した12月の同地区の製造業景況指数は10.3と、前月の27.4か ら低下。5月以来の最低水準に落ち込んでおり、指標面でもドルのサポート材 料が乏しい状況となっている。

--共同取材:小宮弘子 Editor:Masaru Aoki, Norihiko Kosaka

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