日本株(終了)大幅続落、基金出資要請の銀行安い-新興国関連も崩れ

週明けの東京株式相場は、午後の取引で 崩れて大幅続落。米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問 題の悪影響や共同基金機構への出資要請などから、三菱UFJフィナンシャ ル・グループなど銀行株が急落した。中国政府が住宅価格抑制策を導入すると の観測が高まったことで、三井物産など商社株、鉄鋼株、非鉄金属株など新興 国成長の恩恵を受けてきた業種、銘柄も大きく売られた。鉄鋼は、東証1部業 種別下落率トップ。米景気懸念で輸出関連株も総じて軟調。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長は、「米国 経済は最悪のシナリオであるスタグフレーションの可能性が少し高まった」と の懸念を示している。米国経済が減速する中で、世界経済を支えていたのが中 国だったが、「成長への抑制策が出されることは世界経済にとってネガティブ だ」(同氏)という。

日経平均株価の終値は前週末比264円72銭(1.7%)安の1万5249円79 銭、TOPIXは28.55ポイント(1.9%)安の1472.70。ともに4日続落で、 日経平均は11月28日以来の安値水準。東証1部の売買高は概算で17億7649 万株。売買代金は2兆2420億円と、今月に入ってからでは11日以来、2番目 の低水準。値上がり銘柄数は130、値下がり銘柄は1547。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が2、値下がり業種が 31。電気・ガス、石油・石炭製品が高い。半面、銀行、電気機器、機械、鉄鋼、 輸送用機器、卸売、小売が安い。

午後に下げが拡大

午前は円安傾向が相場の下支えとなってかろうじて小幅安で推移していた ものの、午後になって下げ幅が拡大した。円安の動きが一服したほか、中国を 中心とするアジア株が下げ止まらないことで新興国関連株に次第に売りが膨ら んだ。

17日の中国株式市場では、代表的な指数であるCSI300指数が一時

2.4%と下落し、香港ハンセン指数は3.2%安と急落した。中国政府がさらなる 住宅価格抑制策を導入するとの観測が強まり、不動産株を中心に売られた。 「金融政策が引き締め方向にある中国では新しい話ではない」(しんきんアセ ットの藤原氏)とされるものの、米労働省が14日に発表した11月の消費者物 価指数(CPI、季節調整済み)ではインフレ懸念が台頭。米国経済に対する 不安が高まった状況だけに、世界景気に対する悪材料と受け取られた。

中国株の下げがきっかけとなり、午前はかろうじてプラス圏で推移してい た大手商社株や海運株がそれぞれ下げへと転換。鉄鋼株や非鉄金属株の下げに 拍車がかかった。

銀行株が安い

業種別で新興国関連と並んで下げがきつかったのが銀行株。東証銀行指数 は4日続落で、約3週間ぶりに300ポイントを下回った。15日付の日本経済新 聞朝刊によると、米銀行が設立準備を進める共同基金機構は、三井住友フィナ ンシャルグループなど大手3グループに各50億ドルずつの出資を要請した。 回答期限は今週中としている。

富国生命投資顧問の森知勝シニアファンドマネージャーは、「サブプライ ムで利益を上げていない日本の銀行が資金の出資を行うのは論理的ではない」 と指摘。1度出資すれば、再度の要請につながる可能性もあるとして、「株主 としては止めて欲しい」(同氏)との認識を示した。

米国時間17日には12月住宅市場指数、18日の11月住宅着工・許可件数 とゴールドマン・サックス・グループの決算発表など、今週はサブプライム関 連の予定が控えている。このため「サブプライム関連のニューフローが続くこ とから、動きにくい展開が続きそうだ」(野村証券投資情報部の品田民治課 長)との声も聞かれた。

電気・ガスは高い

半面、電気・ガス株は堅調。東京電力が4日ぶり反発したほか、関西電力 や東北電力は続伸した。「米国はインフレ懸念をリスク要因として意識してお く必要が出ており、海外と国内ともに景況感の先行きが読みにくい」(ちばぎ んアセットマネジメントの奥村義弘調査部長)。投資家のリスク回避の動きに 加え、リーマン・ブラザーズ証券が14日付で東電、関西電、東北電、北海電 などの投資判断を新規に「オーバーウエート」としたことも追い風となった。

携帯コンテンツ関連が急落、藤和不は値上がり2位

個別では、ドワンゴやディー・エヌ・エー、フェイスなど携帯コンテンツ 関連が軒並み急落し、ドワンゴは東証1部値下がり率首位。原材料価格の高騰 や海外品との競合から2008年10月期の連結純利益が前期比67%減となる見通 しのイハラケミカル工業も大幅安となった。午後に業績予想の下方修正を発表 した三陽商会も大きく売られた。

半面、筆頭株主の三菱地所が子会社化すると前週末に発表した藤和不動産 が急伸して値上がり率2位となった。足元でゲーム向けのコンデンサーが好調 のNECトーキンが急騰。売買代金上位では、リーマン・ブラザーズ証券が投 資判断を引き上げたキヤノン、英保険会社キルンを買収して海外保険事業を強 化するミレアホールディングスが堅調。

新興市場は急落

新興市場は急落。携帯電話への青少年の有害サイトアクセス制限サービス 導入を促進する方向となったことで、新興企業の業績をけん引している携帯コ ンテンツ関連株に収益不透明感による売りが継続した。ミクシィ、エムティー アイ、ザッパラスなど関連株が軒並み安となり、UBS証券が格下げした携帯 ブラウザ関連のACCESSも大きく売られた。

ジャスダック指数の終値は前週末比2.28ポイント(3.1%)安の71.03、 東証マザーズ指数は50.02ポイント(6%)安の784.12、大証ヘラクレス指数 は47.19ポイント(3.7%)安の1213.24とそろって3日続落となった。

--共同取材:Patrick Rial  Editor:Shintaro Inkyo

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