米国債「弱気派」が降参-テクニカル分析、相場に裏切られる

アスベリー・リサーチのジョン・コーザ ー社長は4月に、「定規と鉛筆があれば誰でも」25年続いた米国債の上昇相 場が終わったことが分かると主張した。

同氏は当時、下落相場入りの兆候は明らかで、利回りが「長年にわたっ て」上昇(価格は下落)することは「5歳の子供でも」分かると述べた。しか し同氏は先週、米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題 が信用市場に波及し始めた7月以来、「流れが変わった」ことを認めた。

米30年債先物のチャートを分析して将来の動きを予想する同氏によると、 米国債市場は「180度の転換」をし、現在は利回り「低下に向かっている」。

10年債利回りは11月26日に3.79%まで低下した。6月には5年ぶり高 水準の5.32%を付けていた。サブプライム関連の損失が膨らむなかで投資家 は安全資産に資金を逃避させた。メリルリンチの指数によれば、今年の米国債 投資リターンは現時点で7.71%と、2002年の11.6%以来で最高となっている。

サブプライムに端を発した信用市場での突然の資金コスト上昇は、テクニ カルアナリストに予想の転換を迫った。3カ月物のLIBOR(ロンドン銀行 間貸出金利)と米財務省証券の利回り格差(TEDスプレッド)は11日に

2.21ポイントに達した。2.21ポイントは8月20日以来で最大。TEDスプレ ッドがこれほど長く高止まりしたのは1987年の米株暴落後以来のことだ。

ルイーズ・ヤマダ・テクニカル・リサーチ・アドバイザースの経営者、ル イーズ・ヤマダ氏は、サブプライム危機によって米10年債利回りが5.5%を超 える時期が「何年も先送り」されたと指摘する。ただ、同氏は依然として米債 市場が弱気相場への転換期にあるとの見方を維持している。

利回り上昇予想は後退

バークレイズ・キャピタルやRBSグリニッチ・キャピタルなどは、利回 り上昇予想を後退させている。ブルームバーグ・ニュースが3-10日に実施 したエコノミスト調査では、08年末の10年債利回りは4.50%との予想(62 人の中央値)が示された。7月調査では5.31%が予想されていた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、先週の10年債(表面利率4 1/4%、2017年11月償還)利回りは13ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇し4.23%で終了した。米連邦準備制度理事会(FRB)が世界 の中央銀行と協調し流動性を供給する計画を発表したことから安心感が広がり、 価格は1 2/32下落して100 3/32となった。

インフレ加速が一部の投資家を米国債に対し慎重にしている。11月の米 消費者物価指数(CPI)は前月比0.8%上昇と、2年余りで最大の伸びだっ た。パイオニア・インベストメンツで債券ファンドを運用するリチャード・シ ュランガー氏は「まだ心配だ」として、米国債は買っていないと話した。

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