ウォール街:来年M&A20%減予想,信用収縮でLBO下火-収益に影響へ

世界のM&A(企業の合併・買収)助言を 2001年以来リードしている米ゴールドマン・サックス・グループでは、同業務 からの収入が来年は減少する見込みだ。景気減速に伴いレバレッジド・バイア ウト(LBO)が下火になると予想されるためだ。

ホールディングス、バンク・オブ・アメリカの幹部は、買収案件の総額が今年 に比べ20%減少すると予想している。ウォール街各社の手数料収入は減少し、 ゴールドマンは02年以来で初の減益に見舞われると見込まれる(ブルームバー グ調査)。

今年の大規模買収案件10件のうち半分は、買収先企業の資産を担保に買収 代金を調達するLBOだった。しかし、借り入れコストは6月以来2倍強に上 昇し、4年ぶりの高水準に達している。買収のペースは6月末以降、33%低下 した。米国や英国の成長減速が見込まれるなかで、製菓大手の英キャドバリー・ シュウエップスなど複数の企業が部門売却を延期または断念している。

UBSの世界M&A責任者、ピエロ・ノベリ氏(ロンドン在勤)は「超大 型LBOの時代は当面終わりだ」と述べた。

リーマンのエリン・カラン最高財務責任者(CFO)は13日、07年9-11 月(第4四半期)決算発表後に、投資銀行部門の手数料収入見込み額は減少し たと述べていた。同CFOは来年のM&Aの20%減を予想している。ゴールド マンのデービッド・ビニアーCFOも9月に、投資銀行の業務受注残は最大だ った07年3-5月(第2四半期)に比べ減少していると述べていた。

環境は急変

バンク・オブ・アメリカの合併グローバル責任者、ステファン・セリグ氏 は「1年前とは環境が全く違う」として、合併金額は15-20%縮小するのでは ないかとの見方を示した。

M&Aの規模は米経済の動向次第とみられる。米連邦公開市場委員会(F OMC)は08年の成長率を最低で1.8%と見積もっている。1.8%は02年以来 で最低。同年は世界のM&Aが29%減少した。

JPモルガンの合併グローバル責任者、ジミー・エリオット氏はM&Aが 最大で30%減少すると予想し、「大規模な非公開化案件が今後すぐ、または近 い将来にあることを示す兆候はない」と述べた。

07年1-6月(上期)に発表された総額2兆4000億ドル(約270兆円)の M&A案件の中で、LBOの割合は24%だった。8月1日以降の案件総額1兆 ドルのうち、LBOは10%にすぎない。

UBSのノベリ氏は、世界のM&Aが来年少なくとも15%減少すると予想。 サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン危機が借り入れコスト急上 昇を招いた米国では、特に減速が著しいだろうとみている。

手数料も減少

ニューヨークの証券業界調査会社フリーマンのマネジングディレクター、 テクチュアン・ヤップ氏は、世界のM&A助言の手数料は08年に、今年の369 億ドルから5%減少するとみている。米国では10%減、欧州では3%減と見積 もっている。

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