日本株(終了)銀行など内需株中心に続落、短観下振れ-荒っぽい1日

週末の東京株式相場は続落。午前8時50 分に発表された日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、12月調査)の業況判 断が予想を下回り、国内景況感の悪化を警戒して三菱地所などの不動産株、三菱 UFJフィナンシャル・グループなどの銀行株、T&Dホールディングスなどの 保険株といった内需関連株中心に売られた。東証業種別33指数は23業種が安く、 上昇は10にとどまった。

ソシエテジェネラルアセットマネジメントの中川博善シニアファンドマネー ジャーは、「日銀短観によって国内景況感が若干悪化していることが分かった。 米国はソフトランディング(軟着陸)の可能性が低くなっており、今後は日本を 含む世界景気に影響を与えるだろう。国内の企業収益の伸び率は鈍化すると見て いる」という。

日経平均株価の終値は、前日比22円1銭(0.1%)安の1万5514円51銭。 TOPIXは同14.85ポイント(1%)高の1501.25。東証1部の騰落状況は値 上がり銘柄544、値下がり1086。売買高は概算で28億1540万株。

SQ通過後に乱高下

この日の東京市場は乱高下した。TOPIX、日経平均ともに小幅反発して 始まり、取引開始直後の株価指数先物・オプション12月限の特別清算値(S Q)算出を通過すると、相場の波乱要素が消えたとして両指数とも急浮上した。 日経225型のSQ値は1万5513円61銭で、前日終値比22円91銭安だった。

その後急速に上げ幅を縮小、内需株のウエートが高いTOPIXはマイナス 圏で推移する場面が目立ち、電機株の一角や機械株に押し上げられた日経平均は 先物主導で前日終値を挟んで上下に大きく振れたが、結局マイナス圏で終了。一 時は、投資家の短中期的な平均売買コストである25日移動平均線を今月5日以 来、約1週間ぶりに下回った。

短観は業況悪化、不動産株が下落

SQに伴う取引で1部の売買高は膨らんで見えるが、実質的な市場エネルギ ーは低調。そのため、株価指数は先物に振らされやすい展開だった。ブルームバ ーグ・プロフェッショナルによると、乱高下が始まった午前10時19分ごろから 日経平均先物に200-400枚の大口売買が断続的に成立。また、日経平均先物の 終日出来高は14万5418枚と、活況と言われる10万枚を超えた。

現物を中心とした買い手控え要因の1つが、取引開始前に発表された12月 の日銀短観だ。大企業・製造業の業況判断指数(DI)が今年3月調査以来、3 期ぶりに悪化したほか、先行きの見通しが軒並み悪化。サブプライムローン問題 を背景にした米国景気の鈍化懸念に加え、国内では改正建築基準法施行の影響や 原材料価格高騰による悪影響が広がっており、景気の先行き不透明感が強まって いる。

フォルティス・アセットマネジメントの山本平社長は、「サブプライム住宅 ローン問題、米景気、原油価格の動向はいずれも先行きが非常に不透明であり、 誰もがきちんと絵を描ききれておらず、株式相場は不透明感を織り込みようがな い」話している。

業種別DIを見ると、12月調査で前回9月からの悪化が目立ったのは不動 産(マイナス13ポイント)のほか、窯業・土石製品(マイナス18ポイント)、 木材・木製品(マイナス9ポイント)、リース(マイナス10ポイント)など。 不動産は、先行きについてもマイナス10ポイントの低下を見込む。東証不動産 指数は下落寄与度2位となり、06年7月28日以来の安値水準に落ち込んだ。銀 行指数、保険指数といった内需関連株も上位に並んだ。

東証1部の値下がり率上位には、エヌ・ティ・ティ都市開発、ゼファー、ク リード、大京、ゴールドクレストM、住友不動産、サンシティ、藤和不動産、三 菱地所など不動産関連株がずらりと並んだ。

設備投資計画は上方修正

一方、2007年度の設備投資計画(含む土地投資額)は、大企業・全産業が 前年度比10.5%増と、前回調査(同8.7%増)から上方修正された。中小企業・ 全産業も同4.6%減と、前回(同10.5%減)から上振れている。ファナックやS MCなどが上昇し、機械指数はTOPIXのプラス寄与度上位。

このほか、上昇した業種では、武田薬品工業などの医薬品株、JTなどの食 品株といった景気動向に左右されない業種が堅調だった。

パーク24が急落、インテクHやくらコーポは高い

個別では、今期(07年10月期)の利益停滞見通しやみずほ証券による格下げ が嫌気されたパーク24が東証1部の下落率トップ。短観で窯業・土石製品の足 元の業況悪化が確認され、太平洋セメント、旭硝子、日本ガイシなども軟調。

半面、情報サービス事業の競争力を強化するため、TISと経営統合すると 発表したインテックホールディングスは、プレミアムの付いた交換比率にさや寄 せする格好で急伸。比率にらみでTISは安い。

このほか、魚価高にもかかわらず来店客数が増加し、前期(07年10月期) は過去最高益を更新したくらコーポレーションが急反発。アドバンテッジがTO B(株式公開買い付け)を実施してローンスター保有分の67%を含めた全株取 得を目指すと報じられた東京スター銀行も買われた。

JPモルガン証券が目標株価などを引き上げたダイキン工業は上場来高値を 更新。大和総研が投資判断を新規に「アウトパフォーム」としたタカラトミーが 大幅反発した。

新興3市場は朝高後に下落

新興3市場は、ジャスダック指数が前日比1%安の73.31、東証マザーズ指 数は同4%安の834.14、大証ヘラクレス指数は同2.2%安の1260.43とそろって 下落。上昇した始まったものの、午前の段階で下げに転じ、その後はマイナス圏 で推移した。

ジャスダック市場では、価格競争激化で販売が落ち込み、07年10月中間期 連結最終損益が赤字に転落したメガネスーパーが大幅反落。男性用のかつらが不 振で11月の月次売上高が前年同月比4.2%減と2カ月連続で減少したアートネ イチャーが大幅続落した。東証マザーズでは、過年度の決算について修正を要す る可能性が判明したオー・エイチ・ティーがストップ安。大証ヘラクレスでは、 既存事業のリニューアルなどでコストがかさみ、第1四半期営業損益は7200万 円の赤字となったアイルが大幅反落した。

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