米シティグループ:傘下SIV7本を自社バランスシートに統合へ

米銀シティグループは、傘下のストラクチ ャード・インベストメント・ビークル(SIV)7本を救済する。同社は13日、 SIVの資産と債務を引き取り、自社バランスシートに統合すると発表した。 SIVの資産は計490億ドル(約5兆5100億円)。今までで最大規模の銀行に よるSIV救済となる。

英銀HSBCホールディングスやドイツのWestLBも、傘下SIVの 救済に乗り出している。シティは格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・ サービスとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がSIVの格下げを示 唆したことから、救済を決断したとしている。

ムーディーズは3日に、シティのSIV6本のコマーシャルペーパー(C P)や中期証券を含むSIV証券1050億ドル相当の格付けを引き下げ方向で見 直すと発表していた。シティのSIVは優先債務580億ドル、現金130億ドル を持つ。

インスティチューショナル・リスク・アナリティクスのクリストファー・ ウェーレン氏は、銀行が「正しいことをしているのは良いことだ」として、「H SBCが模範を示した」と述べた。

SIVは短期証券を発行して資金を調達し、より長期で利回りの高い資産 で運用する。米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン危機で 短期市場での調達が困難になり、苦境に陥っていた。

シティのビクラム・パンディット最高経営責任者(CEO)は発表文で、 SIVに資金を供給する「さまざまな手段を検討した結果、これがシティとS IVにとって最善だと判断した」と述べている。

資金繰りに行き詰まったSIVが資産を投げ売りし信用市場の混乱を悪化 させることを恐れ、ポールソン米財務長官はSIVの資産を買い取る基金「ス ーパーSIV」の構想を大手米銀と共にまとめたが、SIVを傘下に持つ銀行 は基金発足を待たずにそれぞれ救済に動き出した。

ホノルルの金融機関向けソフトウエア・調査会社カマクラのドン・バン・ デベンター最高経営責任者(CEO)は、SIVの資産を自社のバランスシー トに引き取る方が、SIVの証券を保有している債権者に損失を負わせるより は良いかもしれないとして、「銀行は結局、SIV救済のコストよりも評判への ダメージの方が大きいと計算したのだろう」と話した。

シティによると、SIVの資産は130億ドルの現金を含め620億ドル。資 産は8月時点の870億ドルから減少している。SIVが保有する資産の格付け は、54%が「AAA」、43%が「AA」だという。サブプライム住宅ローンに直 接関連した資産はないが、間接的には5100万ドル相当が関連資産だという。

シティはまた、2008年4-6月(第2四半期)までに自己資本比率の自社 目標の水準を回復するとの見通しをあらためて示した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE