岩田日銀副総裁:サブプライムの影響じわじわ拡大も吸収可能(2)

日本銀行の岩田一政副総裁は13日午後、 都内で講演し、米サブプライム(信用力が低い個人向け)住宅ローン問題の邦銀 への影響について「じわじわと拡大している」としながらも、「期間収益や経営 体力の範囲内で十分吸収可能とみられる」と指摘。今回の問題がわが国金融シス テムの安定性に「大きな影響を及ぼすものとは考えていない」と述べた。

岩田副総裁が講演したのは「金融リテール戦略2007」カンファレンス。米 サブプライム問題について「規模とリスクの所在を把握するのが極めて困難だ」 と指摘。邦銀への影響については「国際的な投資銀行ビジネスへの取り組みが遅 れたこともあって、欧米金融機関と比較して相対的に小さなものとなった」とし ながらも、「海外市場での問題の一段の広がりと深まりに伴い、その影響範囲は 当初の想定に比べてじわじわと拡大している」と語った。

岩田副総裁はそのうえで、「これまでのところ損失は各金融機関の期間収 益や経営体力の範囲内で十分吸収可能な規模にとどまっている。欧米金融市場の 動向については、今後とも注意深くみていく必要はあるが、現時点において、今 回の問題がわが国金融システムの安定性に大きな影響を及ぼすものとは考えてい ない」と述べた。

内外金利差は依然として大きい

岩田副総裁はまた、為替市場の動向について「ようやく徐々に金利のある 世界が復活しつつあるが、依然として内外金利差は大きいのが現状だ」と指摘。 「足元こそ少し円高に振れているが、ここ数年、かつてないほどに為替相場は安 定し、ボラティリティが非常に低い時期が続いていた」と述べた。

同副総裁はそのうえで「こうした金融環境を受けて、わが国投資家は、海 外資産をポートフォリオの中に組み入れることに積極的になり、これが今年前半 までの円安を促す大きな力の一つとなっていた」と語った。

金融商品取引法が投信販売を鈍化

岩田副総裁はさらに、リスク性商品の販売について触れ、「中期的な金融 経済環境の変化を受けて、高金利外貨運用投信等がここ数年で大きく残高を伸ば した。いわゆる外為証拠金取引と呼ばれる、通貨間の金利差に注目した資金取引 も個人投資家の間に急速に広がった」と指摘した。

そのうえで「ただし、ごく足元をみると、為替や株式市場の動向を受けて、 投信残高の増加ペースが頭打ちとなっている。金融商品取引法の施行も、長期的 には投資を行いやすくする環境整備につながるとはいえ、短期的には販売を鈍化 させる方向で働いたようだ」と語った。

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