自民税制大綱:消費税を社会保障の主要財源に位置付け-増税示唆(4)

自民党税制調査会は13日午後、党本部で総 会を開き、2008年度税制改正大綱を了承した。消費税については税率引き上げ を先送りする一方で、増大する社会保障給付や少子・高齢化対策に必要な社会 保障関係費の「主要な財源」として位置付け、将来の増税を示唆する内容とな った。税率の引き上げ幅や時期については明記を避けた。

消費税については「新たな国民負担はすべて国民に還元する」との原則を 掲げた上で、「経済動向に左右されにくい消費税を、社会保障給付や少子化対策 に要する費用を賄う主要な財源として位置づけた上で、社会保障財源を充実す ることを検討する」とし、将来の税率引き上げに含みを持たせた。

大綱では、09年度までに行う基礎年金国庫負担の3分の1から2分の1へ の引き上げや、持続可能な社会保障制度の確立のために「安定した財源を確保 する必要がある」と指摘。その上で、社会保障給付や少子化対策に対応するた めに「消費税を含む税体系の抜本的改革を行う」との方針を明確にした。

抜本的改革の時期については「内外の経済動向を注視し、必要に応じ、機 動的・弾力的に対応する」した上で、「早期の実現を図る」と言及。08年度改正 は「抜本改革に向けた橋渡し」として、小泉政権下での構造改革の過程で生じ た格差問題などの対応に重点を置いたと説明している。

また、抜本的改革を実現した後には、政府が掲げる11年度のプライマリー バランス(基礎的財政収支)の黒字化の達成だけでなく、「構造的・持続的に10 年代半ばにおける債務残高GDP(国内総生産)比の安定的な引き下げという 目標を達成し得る体質を備えるものとする」との目標を示した。

抜本的改革の課題としては、消費税の社会保障と連動した設計のあり方を はじめ、①所得税の各種控除や税率構造の持つ所得再配分機能②法人税の税・ 保険料を含む法人負担のあり方③相続税の課税の公平性のあり方④道路特定財 源の自動車関係諸税のあり方-を総合的に検討する。

政府・与党は、基礎年金の国庫負担を現行の3分の1から2分の1への引 き上げに必要な財源約2兆5000億円を確保するため、消費税率の引き上げを念 頭にした抜本的な税制改正を今秋に予定していた。しかし、今年7月の参院選 で与党が大敗したことから先送りとなった経緯がある。

証券税制は限度額設け軽減税率を2年間延長

焦点だった証券税制は、金融一体課税の導入に向けて株式譲渡益と配当に かかる軽減税率(10%)を原則的に廃止し、09年1月から本則(20%)に戻す。 譲渡損失と配当との損益通算も認め、投資家が申告した場合は09年から、特定 口座を活用する場合は10年1月をめどに開始する。

また、軽減税率廃止に伴う市場の不安や変動を回避するための特例措置と して、09年から2年間、株式譲渡益の譲渡所得500万円以下と年間100万円以 下の配当についてはいずれも軽減税率を維持する。

道路特定財源の自動車重量税や揮発油税に関しては、10年間の道路整備中 期計画に合わせて本則の2倍の暫定税率を08年度から10年間維持するとした 政府・与党合意に基づき、「08年度以降10年間、暫定税率による上乗せ分を含 め、現行の税率水準を維持する」と明記した。

企業関連では、研究開発税制を拡充する。現行制度では、企業の試験研究 費の8-10%分を法人税額から差し引いて、控除の上限を法人税額の20%とす る。これに加えて08年度から2年間、試験研究費の増額分5%相当か、売上高 10%相当額を超えた部分のいずれかを別枠として10%分まで上乗せして控除で きるようにする。この特例措置によって最大30%まで控除が可能となる。

地方法人特別税を新設-税収格差是正

地域間の税収格差是正では、法人事業税(地方税)の税収の半分に相当す る2兆6000億円を新設する「地方法人特別税(国税)」として分離し、都道府 県に「地方法人特別譲与税」として再配分する。これに先立ち、東京都の石原 慎太郎知事は法人事業税収3000億円強の他自治体への移転を受け入れた。

今回の見直しは税体系の抜本的改革が行われるまでの暫定措置。特別税は 08年10月以降から適用し、徴収は都道府県が行う。譲与税は09年度からで、 半分は人口、残りの半分は都道府県内の従業者数に応じて配分する。

また、出身地などの自治体に寄付した場合の税負担を軽減する「ふるさと 納税」の導入も盛り込んだ。個人住民税(地方税)の10%を限度に控除適用限 度額を現行の10万円から5000円に引き下げる。

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