東京外為:円が強含み、欧米協調評価も不安くすぶる-112円前後

午前の東京外国為替市場では円が強含み。 米欧主要中央銀行による流動性支援策を好感し、海外市場では株高、円安の展 開となったが、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンに絡む金融 機関の損失懸念や米景気の減速懸念は根強く、日本株の続落を背景に円は対ド ルで1ドル=112円前後と海外時間に付けた約1カ月ぶり円安値(112円47銭、 ブルームバーグ・データ参照)からやや値を戻した。

ステート・ストリート銀行の富田公彦金融市場部長は、米欧中銀による流 動性供給について、基本的には前向きな話で、リスク回避姿勢を決め込んでい る投資家の動きが変わる少し変わる可能性もあると指摘。ただ、「サブプライ ムローン問題から発した信用市場不安が完全に払しょくできたかというと、そ んなに甘い話ではない」ともいい、引き続きサブプライム関連のニュースに市 場が一喜一憂する場面はあり得るとみている。

「株高・円安」続かず

前日の海外市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(E CB)など主要中央銀行5行が短期金融市場に大量の資金供給を行うとの声明 を発表したことを受け、米国株が反発。外国為替市場では円が急落し、対ドル では一時、1ドル=112円47銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)と 11月9日以来の水準まで円安が進行。ユーロ・円も1ユーロ=165円30銭と約 1カ月ぶりの円安値を付けた。

ただ、金融機関の追加損失の思惑などから、一時270ドル超上げていたダ ウ工業株30種平均がマイナスに転じるなど、米国株はその後、伸び悩みとなり、 13日午前の東京株式相場は続落。為替市場では円が下げ渋る格好となり、東京 市場午前の取引では対ドルで一時、111円82銭、対ユーロで164円58銭まで円 が値を戻した。海外勢に加え、国内輸出企業から散発的に円買いも出ていたと いう。

米欧協調でも不安くすぶる

12日発表された声明によると、米連邦準備制度理事会(FRB)は、短期 金融市場での資金繰りのひっ迫緩和を目指し、ターム物資金を市場に供給する とともに、欧州中央銀行(ECB)ならびにスイス国立銀行(SNB)との通 貨スワップ協定を通して240億ドルを供給する。ターム物資金については、4 回の入札を計画しており、12月中に2回の入札で最大400億ドルを供給。FR BはECBとイングランド銀行(BOE)、カナダ銀行、SNBの各国中銀と 協調して資金供給に向けた政策を実行する。

一方、11日のFOMCでは、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標 を25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げ4.25%に設定するこ とを決定。公定歩合も25bp引き下げたが、利下げ幅に対する失望感から米国 株は急落、外国為替市場では円が急反発する格好となっていた。

三菱東京UFJ銀行市場業務部の橋本将司調査役は、FOMC後は市場が 再び不安定化しかねないような動きも見られていたが、米欧中銀が流動性支援 策を発表したことでそれをせき止める先手が打たれた、と説明。ただ、「機能 不全に陥っている証券化市場の完全回復やサブプライム問題の根本解決という ことにはならず、引き続き不透明感はくすぶっていく」といい、米景気の減速 懸念も残る中、「円キャリー(円借り取引)の再開というところは慎重に見る 必要がある」と指摘する。

米小売売上高、金融機関決算に注目

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、この日 発表される11月の米小売売上高は前月比0.6%増と10月(同0.2%増)を上回 る伸びとなる見通しで、自動車を除く売上高も同0.6%増(10月は同0.2%増) が見込まれている。

また、11月の米生産者物価指数(PPI)は、エネルギー価格の上昇によ り、前月比1.5%上昇と10月の同0.1%上昇から伸びが加速するとみられてい る。食品とエネルギーを除くコア指数は同0.2%上昇(前月は同横ばい)と予想 されている。

一方、この日は米証券大手リーマン・ブラザーズの決算発表も予定されて おり、サブプライム関連の損失が予想以上に大きいと、金融システム不安が再 び台頭する可能性もありそうだ。

12日には米銀2位バンク・オブ・アメリカ(BOA)が、評価損の拡大見 通しとともに、2008年第1四半期まで「弱い」収益が続くとの予想を示した。 また、同4位ワコビアは10-12月(第4四半期)に計上する貸倒引当金を従来 見通しの2倍に積み増す可能性を明らかにした。

-- Editor:Norihiko Kosaka,Hidenori Yamanaka

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