日経平均下げ幅が一時200円超、中銀連携は「まさかの備え」に過ぎず

午前の東京株式相場は続落し、日経平均株 価の下げ幅は一時200円を超えた。三菱UFJフィナンシャル・グループなどの 銀行株中心に売りが先行。米欧の主力中央銀行が短期金融市場に大量の資金供給 を行う協調姿勢を明らかにしたが、米国の住宅問題に始まる一連の信用不安解消 に向かう道のりは遠いと受け止められている。

また前日の米国市場で、信用市場での損失が拡大するとの見方を示した銀行 大手ワコビアやバンク・オブ・アメリカ(BOA)など、金融株が売られた流れ を東京市場は引きずっている。このほか、午前の東京為替相場が円高方向に振れ てことから、トヨタ自動車やホンダ、ファナック、東芝といった輸出関連株も安 く、東証業種別33指数はすべて安い。

米欧の主力中央銀行の緊急協調姿勢について、市場関係者の間では「健全な 欧米金融機関が資金繰りで『よもやの事態』に陥ることを避けるためのもの。あ くまでも『まさかの備え』である。このため、景気がすぐに持ち上がるとか、株 式相場がどんどん上昇していくとかの話ではない」(大和投資信託の長野吉納シ ニアストラテジスト)との指摘が聞かれた。

午前10時37分現在の日経平均株価は、前日比191円8銭(1.2%)安の1 万5741円18銭。TOPIXは同20.89ポイント(1.3%)安の1536.04。東証 1部の売買高は概算で7億7594万株。東証1部の騰落状況は、値上がり324に 対し、値下がり1283。

緊急資金供給も米金融株は下落

米連邦準備制度理事会(FRB)は12日、短期金融市場の資金繰り逼迫 (ひっぱく)感を緩和するため、ターム物資金を市場に供給し、欧州中央銀行 (ECB)とスイス国立銀行(SNB)と通貨スワップ協定を通じて資金供給す ると発表した。FRBは、ECBとSNBを通じ、欧州に最大で240億ドル(約 2兆7000億円)のドル資金を提供。ターム物資金は4回の入札を計画、12月中 に2回の入札で最大400億ドルを供給する。

前日の米株式相場は、ダウ工業株30種平均が一時271ドル高となるなど大 幅高となったが、取引終了間際に下落に転じるなど上値は重かった。ワコビアや BOAを中心に金融株は下げ、S&P500金融サービス指数や銀行指数、消費者 金融指数といった関連指数はS&P指数の下落寄与度上位に入っていた。

新光証券エクイティ情報部の三浦豊シニア・テクニカルアナリストは、欧米 5中銀が緊急の資金供給の発表を、「裏を返せば、それほど大規模にやらなくて はいけないほど厳しい状況ということ。前日の米国では、金融銘柄に悪材料が出 て株価が下げており、きょうの東京市場は、その流れを受けている」とした。

朝方は1ドル=112円前半と約1カ月ぶりの円安水準で推移していた為替相 場が、円高方向に振れたことも相場の上値を抑えている。午前の東京為替相場で は1ドル=112円を割り込み、一時111円86銭まで円高が進む場面があった。 サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題に絡む金融不安が依然と してくすぶっているという。

橋梁関連株が高い

このほか、東証1部の値上がり上位には、松尾橋梁、駒井鉄工など橋棟梁関 連銘柄が並んでいる。また不動産売却益の発生で08年1月中間期の業績を上方 修正した日本駐車場開発のほか、発行済み株式の7%近くを上限に自社株式の取 得をすると発表した学情も急伸している。

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