日本株は銀行中心に続落、欧米中銀連携も不発-根強い金融不安(2)

午前の東京株式相場は続落。前日の米株式 市場で、信用市場での損失が拡大するとの見方を示したバンク・オブ・アメリカ (BOA)など金融株が売られた流れを受け、三菱UFJフィナンシャル・グル ープなどの銀行株中心に安い。米欧の主力中央銀行が短期金融市場に大量の資金 供給を行う協調姿勢を明らかにしたものの、世界的な金融システムや信用収縮へ の懸念は払しょくされなかった。東証業種別33指数は、32業種が下落。

岡三投資顧問の伊藤嘉洋常務は、「緊急対策が発表されたとしても根本的な 解決につながっておらず、海外金融機関の損失拡大懸念が依然強い」と指摘。前 日の米市場で、政策よりバンク・オブ・アメリカの損失発表などに反応したこと を受け、「実体悪の解決につながらない限り、しばらくは調整が続きそうだ」 (同氏)との見方を示した。

午前の日経平均株価終値は、前日比188円14銭(1.2%)安の1万5744円 12銭。TOPIXは同21.22ポイント(1.4%)安の1535.71。東証1部の売買 高は概算で9億4277万株。東証1部の騰落状況は、値上がり317に対し、値下 がり1310。

米欧中銀連携は厳しさ示す

午前の日経平均株式相場は続落して始まった後、じりじりと下げ幅を拡大。 シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物12月物の12日清算値(1万5920 円)を大きく下抜け、一時は200円以上下げた。午前の東証1部の出来高は 株 と、1日を通して活況とされる20億円の半分に届かず、売買も低調気味。

「裏を返せば、それほど大規模にやらなくてはいけないほど厳しい状況とい うこと」(新光証券エクイティ情報部の三浦豊シニア・テクニカルアナリスト) ――。FRBは12日、欧州など他の中央銀行4行と協調して2001年の米同時多 発テロ以来で最大規模となる緊急資金供給を行うと発表。短期金融市場の資金繰 りの逼迫(ひっぱく)を緩和する狙いだったが、株式市場は前向きに受け止めな かった。

前日の米株式相場でも、朝方はダウ工業株30種平均が一時271ドル高とな るなど大幅高となったが、取引終了間際に一時下落に転じるなど上値は重かった。 損失拡大を発表したワコビアやBOAを中心に金融株が下げ、相場の足を引っ張 った。投資家は当局の政策ではなく、実体悪に反応した。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、「あくまでも『まさかの 備え』である。このため、景気がすぐに持ち上がるとか、株式相場がどんどん上 昇していくとかの話ではない」と見ている。

ドル戻りも鈍く

サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題に絡む金融不安のく すぶりは外国為替相場にも見られた。リスク回避姿勢の後退から高金利通貨で運 用する「キャリー取引」が活発化し朝方は1ドル=112円前半と約1カ月ぶりの 円安水準で推移していたが、徐々に円高方向に振れて1ドル=112円を割り込ん だ。一時は111円82銭まで円高が進む場面があった。この流れを受け、株式市 場では、トヨタ自動車やホンダ、キヤノン、東芝といった輸出株が軟調だった。

サンシティや東建コポが下落率上位

個別では、建築基準法改正の影響から物件売却が当初計画から後ずれし、今 期(2007年12月期)の連結純利益見通しを従来予想から3割超減額修正したサ ンシティが急落。同じく建基法改正により、一部の賃貸向けアパート・マンショ ンの完工がずれ込むため、10月中間期の連結純利益が前年同期比41%減となっ た東建コーポレーションも大幅反落し、ともに東証1部の下落率上位に並んだ。

GMOIや日駐車場開が急伸

半面、ヤフーとGMOIの熊谷正寿会長兼社長を引き受け先とする第三者割 当増資を実施し、事業資金調達や自己資本を増強すると発表したGMOインター ネットがストップ高。松尾橋梁、駒井鉄工、日本橋梁など橋棟梁関連銘柄も高く、 不動産売却益の発生で08年1月中間期の業績を上方修正した日本駐車場開発の ほか、発行済み株式の7%近くを上限に自社株式の取得をすると発表した学情も 急伸した。

業種別では、東証33種のうち国際石油開発帝石ホールディングス、日鉄鉱 業など鉱業株が唯一小高い。

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