FRB、ECBなど中央銀行と協調し流動性供給へ-声明発表(4)

米連邦準備制度理事会(FRB)は12日 声明を発表し、短期金融市場での資金繰りの逼迫(ひっぱく)緩和を目指し、タ ーム物資金を市場に供給するとともに、欧州中央銀行(ECB)ならびにスイス 国立銀行(SNB)との通貨スワップ協定を通して資金を供給する計画を明らか にした。

声明によると、米金融当局はECBとSNBを通じ、欧州に最大で240億ド ル(約2兆7000億円)のドル資金を提供する。ターム物資金については4回の 入札を計画しており、12月中に2回の入札で最大400億ドルを供給する。

FRBはECBとイングランド銀行(BOE)、カナダ銀行、SNBの各国 中銀と協調して資金供給に向けた政策を実行する。FRBは一時的なターム・オ ークション・ファシリティー(TAF)に基づき、連銀貸し出し窓口で使用可能 な各種担保を裏付けに、預け入れ銀行に対してターム物資金を入札する。声明に よると、TAF入札には管轄地区連銀からおおむね健全な財務状況との判断を受 けた預け入れ銀行、連銀窓口でのプライマリー貸し出しを受けられる金融機関す べてが参加できる。

サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題に伴い、借り入れコ ストが上昇していることを受けて、各国中銀は今回の措置に踏み切った。8月以 来FRBが取ってきたこれまでの信用収縮緩和に向けた努力は持続的な効果をも たらすには至っていない。各国中央銀行が指針の一つとする3カ月物ドル建てロ ンドン銀行間貸出金利(LIBOR)は1週間前に5.15%と、約2カ月ぶりの高 水準を付けた。

FRBの声明では、「FRBは通常の公開市場操作よりも対象金融機関と担 保範囲を拡大してターム資金を供給することで、無担保の銀行間市場が逼迫して いる環境において流動性のより効率的な配分を促進できると判断した」と説明し た。

「銀行間市場はうまく機能していない」

28日物資金の初回の入札は17日に実施し、2回目は20日に実施する。規 模はそれぞれ200億ドル。さらに、08年1月14日と28日にさらに2回を予定 し、その後も継続する可能性がある。当局者は入札結果と資金供給の効果を見な がら継続する期間を決めるという。また、入札に参加した金融機関名は公表しな いとしている。

またFRBは、米連邦公開市場委員会(FOMC)が最長6カ月間の一時的 な相互通貨協定(スワップ協定)に基づき、ECBに最大200億ドル、SNBに 最大40億ドルの使用権限を与えることを承認した。

また、イングランド銀行はオペで市場に供給する資金を増やすとともに、3 カ月物融資で受け入れる担保の種類を拡大する。

カナダ銀行のドッジ総裁はインタビューに答え、「銀行間市場はうまく機能 していない。銀行間市場の機能が全世界で弱くなると、問題が生じる」として、 「状況を緩和するよう努めるのは中央銀行の通常の仕事の一部だ」と語った。

FRBの当局者は匿名を条件に、この日の発表は11日の株価下落への対応 ではなく、各国中銀とは先週に合意に達していたと説明した。

リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの債券ストラテジスト、フレッ ド・グッドウィン氏は「各国中銀が協調したということは、銀行の相互不信とい う問題に協力して取り組むことを決めたということだ」と論評した。「中銀は何 かをしなければならなかった」として、「中銀が積極的に問題に取り組み始めた ことで、ムードが変わる瞬間ととらえることができる」と述べた。

UBSのチーフエコノミスト、ラリー・ハサウェー氏は、「最終的にわれわ れが直面している問題は、流動性枯渇だけではない」として、今回の措置は「回 復へのさらなる一歩だが、まだ先は長い」と話した。

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