12月12日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:反発。テクノロジー株とエネルギー株が買いを集めた。米連邦準備制 度理事会(FRB)が他の中銀4行と協調し、2001年の対米同時多発テロ以来 で最大規模の資金供給を発表したことが買い材料となった。

石油大手のエクソンモービルや通信機器のシスコシステムズ、通信事業者 大手のAT&Tが上げを主導。株式市場のボラティリティーを示す指標は過去 1週間で最大の低下を記録した。ただ、銀行大手ワコビアやバンク・オブ・ア メリカ(BOA)が信用市場での損失が拡大するとの見方を示したことが弱材 料となり、相場の上昇は抑制された。

S&P500種株価指数は前日比8.94ポイント(0.6%)高の1486.59とな った。ダウ工業株30種平均は41.13ドル(0.3%)上げて13473.90ドル。ナ スダック総合指数は18.79ポイント(0.7%)上昇し2671.14で終了した。ニ ューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は8対5。

J&Wセリグマンで約200億ドルの運用に携わる市場ストラテジスト、ダ グ・ぺタ氏は、「これまでにFRBが取った路線は効果があるようにはみえな かった。今は新しい対処法が導入された。これはみんなにとって喜ばしいこと だ」と語った。

AT&Tはダウ平均銘柄のなかで最大の値上がり。リーマン・ブラザー ズ・ホールディングスのアナリストは、通信大手のAT&Tの株価見通しを 8%引き上げて54ドルとした。同社は前日、152億ドル相当の自社株買い戻し 計画および13%の増配を明らかにした。

米株式投資家のセンチメントを示すシカゴ・オプション取引所(CBO E)ボラティリティ指数(VIX指数)は4.8%低下して22.47となっている。 VIXの低下は今後30日間の株の値動きが小さくなるとの見通しを示唆して いる。

欧米中銀の協調による資金供給

FRBは12日声明を発表し、短期金融市場での資金繰りのひっ迫緩和を 目指し、ターム物資金を市場に供給するとともに、欧州中央銀行(ECB)な らびにスイス国立銀行(SNB)との通貨スワップ協定を通して240億ドルを 供給する計画を明らかにした。さらにFRBは今後4回の入札を実施、今月予 定している2回の入札では最大400億ドルを供給する計画だ。

BOAは下落。同行は評価損の拡大見通しを示すとともに、来年第1四半 期まで「弱い」収益が続くと明らかにした。ケネス・ルイス最高経営責任者 (CEO)は投資家向けに「決算は再びかなりの失望を誘うとみて間違いな い」と語った。同CEOは評価損が最終的にどの程度になるか「現時点では判 断できない」と述べたが「第4四半期の損益は黒字になるとみている」との見 通しを述べた。

ワコビアは10-12月期の貸倒引当金を従来見通しの2倍に積み増す可能 性を明らかにしたほか、信用市場の回復時期について見通しが立たないと述べ たことが嫌気され、下落した。

住宅建設株

15銘柄で構成するS&Pの住宅建設株価指数は1.5%上昇、前日の大幅安 から反発した。D.R.ホートンやコンテックスはいずれも上昇した。

自動車のフォード・モーターも高い。英紙フィナンシャル・タイムズ(F T)はフォード傘下のジャガーとランド・ローバーの買い手候補のうち、フォ ードが支持する買い手を今週末までに明らかにする可能性があると報じた。

石油大手のシェブロンは上昇。ゴールドマン・サックス・グループが2008 年の原油相場見通しを従来のバレル当たり85ドルから95ドルへ上方修正した ことが買いを誘った。「技術的、地政学的な不透明さ」が上方修正の背景。

一方、事務用品小売り大手のオフィス・デポは法人顧客からの需要減が影 響し、10-12月期の売上高・利益は「引き続き悪化する」との見通しを示し、 売られた。

○米国債:相場は反落。米連邦準備制度理事会(FRB)が他の複数の 中銀と協調し信用市場の行き詰まり打開を目指す措置を発表したことを 受けて、米国債相場は過去3年間で最大の下げとなった。

FRBの協調政策で市中銀行には年末超えの資金が十分手に入ると の観測から、2年債利回りが約0.2ポイント上昇した。前日には米連邦 公開市場委員会(FOMC)の0.25ポイントの利下げが米経済のリセシ ョン(景気後退)回避に十分ではないとの観測を背景に買いが先行、米 国債相場は過去3年間で最大の上げとなった。

元ニューヨーク連銀のエコノミストで現在はDMJアドバイザーズ の最高経営責任者(CEO)、デービッド・M・ジョーンズ氏は「この 日発表された中銀による措置はFRBだけでなく他の中銀も現代で最悪 の信用危機に直面していることを認識し始めていると示唆している」と 指摘した。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後 4時39分現在、2年債利回りは前日比21ベーシスポイント(bp、1bp =0.01ポイント)上昇して3.13%。一時は33bp低下と、11年ぶりの 大幅な低下となる場面もあった。2年債価格(償還期限2009年11月、 表面利率3.125%)は前日比12/32下落し100。10年債利回りは同12b p上昇の4.09%。

銀行大手ワコビアやバンク・オブ・アメリカ(BOA)が信用市場 での損失が拡大するとの見方を示したことが弱材料となり、ダウ工業株 30種平均が上昇幅を縮小した後、債券相場は下げ渋った。

LIBOR

リーマン・ブラザーズ・ホールディングス(ニューヨーク)の金利 ストラテジスト、クラッシュ・ミストリ氏は、今回の協調資金供給につ いて、「当初の市場の反応が正当化されるかどうか判断は難しい」と指 摘。「今回の計画に関して、さらに詳細を確認すべき項目があるはずで、 それが今後、市場に影響する可能性がある」と述べた。

銀行間の貸し出しが緩和するとの投資家の予想を背景に、3カ月物 のドル建てロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)の1カ月先物金利は

4.70%に低下した。一時は06年2月以来の低水準を付ける場面もあった。 前日はFOMCによる0.25ポイントの利下げという一部予想より小幅な 利下げを受けて、4.87%に上昇した。

FRBは12日声明を発表し、短期金融市場での資金繰りの逼迫(ひ っぱく)緩和を目指し、ターム物資金を市場に供給するとともに、欧州 中央銀行(ECB)ならびにスイス国立銀行(SNB)との通貨スワッ プ協定を通して資金を供給する計画を明らかにした。

声明によると、米金融当局はECBとSNBを通じ、欧州に最大で 240億ドル(約2兆7000億円)のドル資金を提供する。ターム物資金に ついては4回の入札を計画しており、12月中に2回の入札で最大400億 ドルを供給する。

債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジ メント(PIMCO)の米国債担当エグゼクティブ・バイスプレジデン ト、スティーブ・ロドスキー氏は「各国中銀がリスク志向を促進するの は理にかなった措置だ」と述べた。

○NY外為:円が主要通貨に対して反落。米連邦準備制度理事会(FRB) が欧米の中央銀行と協調し、信用市場でのひっ迫緩和を目指して金融システ ムに資金を供給すると発表。銀行間の借り入れが増え、米国が景気の腰折れ を免れるとの見方から、低金利の円で資金を調達し、高金利通貨で運用する 「キャリー取引」が再び活発化した。

ニュージーランドや南アフリカ、オーストラリアなどの通貨が円やドル、 スイス・フランに対して上昇した。円は主要16通貨に対して少なくとも1% 下げた。

マン・グローバル・リサーチのシニア通貨アナリスト、マイケル・マルピ ード 氏(シカゴ在勤)は欧米の協調政策について「正しい措置だ。各国の中銀 が協調して流動性を供給することは市場の信頼感が向上し、高利回り証券への 買いにつながる」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時1分現在、円は対ドルで前日比1.4%安の 112円19銭。対ユーロでは1.8%下落の1ユーロ=165円2銭と、過去1 カ月で最大の下げ。ドルはユーロに対して0.4%下落し、1ユーロ=1.4708 ドルで推移している。マルピード氏は円が今月中に113円50銭まで下落する とみている。

前日は米連邦公開市場委員会(FOMC)が実施した利下げが景気後退を 避けるには不十分との見方から円が上昇していた。

資金繰り

キャリー取引の運用先であるニュージーランド・ドルと南ア、オーストラ リアの通貨は円に対してそれぞれ約2%上昇。ドルに対してニュージーラン ド・ドルは2%高となり、豪ドルは1%上昇した。

FRBは今月中に入札を通じて400億ドルを供給し、ECBとスイス国立 銀行(SNB)との通貨スワップ協定を通して240億ドルを供給する。

フィッシャー・フランシス・トレス・アンド・ワッツのポートフォリオマ ネジャー、カレン・チェン氏(ニューヨーク在勤)は「短期金融市場のひっ迫 を沈静化するのに役立つだろう。今、円を保有する理由はない」と述べた。

スイス・フラン安

キャリー取引の資金調達通貨の1つ、スイス・フランは円を除く主要16 通貨すべてに対して下落した。1ドル=1.1344フランと、前日の1.1309フ ランから下げた。

テンパス・コンサルティング(ワシントン)のストラテジスト、マーク・ メドウズ氏は「市場の信頼感が回復した。米連邦準備制度は景気が腰折れしな いよう多くの方策をとっている」と述べた。

金利差拡大

日銀の政策金利は0.5%と先進国では最低。ニュージーランドは8.25%、 オーストラリアは6.75%。スイスは2.75%。

FOMCの利下げによりドル建て資産の魅力が薄れ、ドルはユーロに対し、 年初から10%下げている。独2年債利回りは米2年債を0.90ポイント上回っ ている。前日には0.98ポイントと2003年以来で最大となった。

3カ月物ドル建てロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)は4.695%と、 前日の4.87%から低下。貸し渋りが緩和していることを示している。

ワコビアのチーフエコノミスト、ジョン・シルビア氏は「FRBのおかげ で峠を越した。FRB自身にも信用市場が年初にどの程度、ひっ迫しているか を見極める上で時間稼ぎとなろう」と話した。

ノルウェー・クローネはユーロとドルに対して上昇。同国中銀は政策政策 金利を0.25ポイント引き上げ、5.25%に設定した。これは4年半ぶりの高水 準。

○英国債:相場は下落。米金融当局が短期金融市場での高まる圧力に対処するた め、複数の中央銀行と協調して流動性を供給すると発表したことが背景。

米連邦準備制度理事会(FRB)は、欧州中央銀行(ECB)ならびにイン グランド銀行 (BOE)、カナダ銀行、スイス国立銀行と協調して実施すること を明らかにした。BOEは、3カ月融資に対する担保範囲と、公開市場操作にお ける入札規模をそれぞれ拡大することを明らかにした。

カリヨンの債券ストラテジスト、オーランド・グリーン氏(ロンドン在勤) は「このような協調措置はかなり大規模だ」と指摘。「こうした措置が最近の流 動性懸念を長期にわたって和らげていくとの見方から、大量の国債が売られた」 と語った。

2年債利回りはロンドン時間午後5時18分までに、前日比17ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇し4.63%と、ほぼ1カ月ぶりの高水準 となった。同国債(2009年12月償還、表面利率5.75%)価格は0.33ポイン ト低下の102.10。10年債利回りは同12bp上げ4.80%。

○欧州債:相場は下落し、ドイツ10年債利回りは6週間ぶりの高水準に上昇し た。世界経済を鈍化させる恐れのある信用収縮の緩和に向けて、米金融当局や欧 州中央銀行(ECB)を含む欧米の中銀5行が協調して流動性を供給すると発表 したことが背景。

米金融当局は、短期金融市場で高まる圧力に対処するため、入札を通して金 融システムに流動性を供給するほか、相互通貨協定(スワップ協定)に基づき欧 州とカナダの中銀に240億ドルを供給することを明らかにした。

リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの債券ストラテジスト、フレッ ド・グッドウィン氏は、欧米中銀による協調資金供給について「衝撃と畏怖だ」 と述べた上で、「当局が問題解決をちゅうちょしている、あるいは解決できない との不安から、国債相場には大量の安全資産プレミアムが織り込まれている。今 からは安全投資買いの大規模な巻き戻しが起こるだろう」と語った。

ドイツ2年債利回りは一時、18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイ ント)上昇と、8月22日以降で最大の上げとなった。同利回りはロンドン時間 午後3時36分現在までに、前日比13bp上げて4.03%となった。4%を超えた のは先月11日以来で初めて。同国債(2009年9月償還、表面利率4%)価格は、

0.22ポイント低下し99.94。10年国債利回りは同6bp上げて4.31%。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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