米FOMCはリセッション疑問視-失望の投資家との溝は深まるばかり

米金融当局は依然として米経済成長を信じ、 一部のエコノミストや投資家が求めていた大幅な金融緩和を拒んだ。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は11日の会合で、フェデラルファンド (FF)金利の誘導目標を0.25ポイント引き下げ4.25%とした。合計で1ポイ ントの今年の利下げが「緩やかな成長」を促すとの見方を示した。成長減速と インフレのリスクが「おおむね」均衡しているという表現は盛り込まず、見通 しの「不透明感」に言及した。

11日の決定は、金融当局と投資家の溝を深めた。ダウ工業株30種平均は 2006年2月のバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の就任以来で最 大の下落を演じた。当局がサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン 問題の封じ込めに失敗し、米経済がリセッション(景気後退)入りするとの懸 念が高まった。FOMCは、08年1月29、30日の次回会合前に信用収縮の緩和 に向けた次の手を打つ可能性を排除してはいない。

FRBの金融政策局長だったビンセント・ラインハート氏は「FOMCは 金融緩和を望んでいなかった」として、「データはほぼ予想通りなのに対応を 迫られるのはおかしいと感じているのだろう」と話した。

当局は銀行間市場での資金コスト急上昇に歯止めをかける方法について積 極的に検討しているが、公定歩合をFF金利誘導目標と同じ0.25ポイントしか 引き下げなかった。これは一部のエコノミストを失望させた。

2年物米国債利回りは25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下 し2.92%となった。低下幅は3年で最大。ダウ平均は2.1%下落した。トレー ダーは、08年3月末までにFF金利が3.75%以下まで引き下げられると予想し ている。

皆が失望

RBSグリニッチ・キャピタルのチーフエコノミスト、スティーブン・ス タンレー氏は「連邦準備制度に対する市場の信頼が、これほど低下した時期は 思い出せない」として、FOMC声明には「事実上、全員が何らかの点で失望 した」と述べた。FRBは、公定歩合を0.25ポイント引き下げ4.75%とした。 連銀窓口貸し出しの利用促進に向け0.5ポイントの引き下げを予想していたエ コノミストらは、意外感を持って受け止めた。一部エコノミストは窓口貸し出 しの期間延長などの措置が取られる可能性も指摘していた。

住宅ローン関連損失への懸念から銀行間市場では誰もが資金を出し渋り、 3カ月物ドルLIBOR(ロンドン銀行間貸出金利)は11日に5.11%に達して いた。1カ月前は4.87%。

FOMCは声明で「金融市場の緊張は最近数週間で高まった」と認めた。 米企業のデフォルト(債務不履行)リスクの指標であるマークイットCDX北 米投資適格指数は11日、6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し 79bpとなった。

ローゼングレン総裁

11日の決定は全会一致ではなかった。日本の金融危機についての研究もあ るローゼングレン・ボストン連銀総裁は0.5ポイントの利下げを求めた。12の 地区連銀で0.25ポイントの公定歩合下げを求めたのは7行だったため、一部は より大幅な利下げを求めたとアナリストはみている。

FOMCは、成長減速のリスクがインフレリスクを上回るとの認識を示そ うとしない。それでも先物市場は利下げ期待を抱き続ける。リジョンズ・ファ イナンシャルのデリバティブ(金融派生商品)アナリスト、テーラー・バロー ズ氏は「当局は予想に基づいて行動しているが、市場は今現在ばかりを見てい る」と解説した。

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