午前の日本株はやや下げ渋り、米利下げ期待が残る-銀行株安は続く

午前の東京株式相場は、大幅安後にやや 下げ渋り。米利下げ幅が景気後退を回避するのに十分ではないとの見方から輸 出関連や銀行株を中心に売りが増加し、三菱商事や住友金属鉱山、コマツなど 新興国関連株も売られた。ただし、追加利下げへの期待感も残っており、一方 的に下落する展開には至っていない。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、「景気先行き不透明感 と金融市場の混乱という状況にありながら、米国株は高値近辺まで戻してい た」と指摘。米国株急落は利下げ幅への失望というより、株価水準の高さがむ しろ要因だったとの見方を示した。その上で長野氏は、「今後の利下げ可能性 も残っており、東京市場が下げ渋っているのはその点を冷静に判断しているた め」と話している。

午前10時24分時点の日経平均株価は前日比283円73銭(1.8%)安の1 万5760円99銭、TOPIXは25.27ポイント(1.6%)安の1541.75。東証1 部の売買高は概算で7億3372万株。値上がり銘柄数は306、値下がり銘柄数 は1284。日経平均は一時343円安の1万5701円まであった。

東証業種別33指数の騰落状況では、石油・石炭製品と鉱業を除く31業種 が安い。電気機器、銀行、輸送用機器、不動産、機械、電気・ガスが下げた。

成長と物価に不透明感増す、FOMC声明

米連邦準備制度理事会(FRB)は11日のFOMC(米連邦公開市場委 員会)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を25ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)引き下げ4.25%に設定することを決めた。公定 歩合も0.25ポイント引き下げ4.75%とした。声明文では、前回の10月声明 時に比べて成長と物価とも「不透明感が増した」と指摘した。

リテラ・クレア証券の井原翼理事・情報部長は、「米利下げ幅が市場の期 待を下回ったことで、失望売りが支配的になっている」と指摘。さらに声明文 でも、「追加利下げを示唆する具体的な要素が乏しく、逆に利下げのハードル が高いことを示した」(日興シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミス ト)との見方が出ている。

銀行安い、今週後半から米金融機関の決算

銀行株が安い。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクや住 友信託銀行などを中心に、上場85銘柄中、83銘柄が下げている。11日の米国 株市場では利下げ幅が小幅にとどまったことで経済成長や住宅市場に対する不 安が高まり、S&P500種の金融株価指数は4.9%安と11月7日以来で最大の 下落率となった。

また、今週から来週にかけてはリーマン・ブラザーズやベアスターンズな ど米金融機関の決算発表が控えており、「米サブプライム(信用力の低い個人 向け)住宅ローン関連の損失が市場の予想の範囲に収まるかが次の注目点にな る」(大和投信の長野氏)。重要イベントを前に積極的に下値を拾う動きは限 定されている。

IHIが急落、大日印は6連騰

個別では、前期の追加損失を訂正する方針で管理ポストに指定されたIH Iは急落。10-12月期営業減益の観測報道から東芝は反落し、07年10月中間 期の連結営業利益が会社計画を下回ったロック・フィールドも軟調。

半面、新しい半導体製造技術の実用化を視野に入れたと報じられた大日本 印刷は6連騰。コスモ証券が投資判断をアウトパフォームに引き上げた酉島製 作所は急伸し、07年12月期(9カ月変則決算)の連結営業利益予想を引き上 げたエスエス製薬も高い。

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