日本株は大幅反落へ、米利下げ不十分で景気警戒-輸出や銀行安(2)

東京株式相場は全面安の展開で、大幅反 落となる見通し。米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅が小幅だっ たことで米国景気の後退に対して懸念が高まり、幅広く売りが増加する可能性 がある。円高進行も収益不安につながる輸出関連株のほか、景気悪化で米住宅 問題の再燃を警戒する動きから、銀行株などの下げも特に大きくなりそうだ。

日興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長は、米国株に過熱感が出 ていた点を指摘した上で、日本株も「売買エネルギーが今週に入って先週平均 より14%減り、ストキャスティクスなどでも過熱感がある」と指摘した。西氏 は、日経平均株価は5日と6日に空けたチャート上の窓(空白、1万5621円 -1万5740円)の水準を、きょうは埋めに行く可能性があると見ている。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物12月物の11日清算値は1万 5615円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万6080円)に比べて465円安 だった。

25bpの利下げ

米連邦準備制度理事会(FRB)は11日のFOMCで、フェデラルファ ンド(FF)金利の誘導目標を25ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)引き下げ4.25%に設定することを決めた。公定歩合も0.25ポイント 引き下げ4.75%とした。声明文では、前回の10月声明時に比べて成長と物価 とも「不透明感が増した」と指摘しており、追加利下げに含みを持たせた。

株式市場では一部で50bpに対する期待感もあっただけに、米国株は発表 後に大幅安。米10年債利回りは前日比18bp低下の3.98%となり、2004年8 月以来最大の低下を記録。外国為替市場でも米景気の失速懸念を背景にリスク 回避の動きが広がり、1ドル=110円台へのドル売り・円買いが進んだ。

ハートフォードの最高投資ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は、 「利下げはもっと積極的であるべきだった。市場の直感的な反応として、今回 の利下げ決定はひと足遅く、FOMCは対応が後手に回っていると受け止めて いる」とした。

米景気先行きに対する警戒の高まりは自動車などの輸出関連株だけでなく、 海運や鉄鋼、非鉄金属などの市況関連株など幅広い業種の売りにつながる懸念 がある。また、FOMCが声明で住宅調整の本格化に言及したことから、米国 では金融株が追加損失不安で急落した。海外での金融株に対するポジションの 縮小は、国内でも銀行株への売り圧力になると見られる。

米主要株価3指数の終値はS&P500種株価指数が前日比38.31ポイント (2.5%)安の1477.65、ダウ工業株30種平均は294.26ドル(2.1%)安の1 万3432.77ドル、ナスダック総合指数は66.60ポイント(2.5%)安の2652.35。

一方、米国の預託証書(ADR)市場では、11日の東京市場終値に比べて 三菱UFJフィナンシャル・グループが4.5%安、みずほフィナンシャルグル ープが4.4%安だった。

モルガンS証はTOPIX目標下げ

モルガン・スタンレー証券では11日の取引終了後、2008年末のTOPI Xの目標を1640ポイント(従来1800ポイント)へと引き下げた。米国の成長 率悪化、為替の円高による企業業績の減速などが響くと見る。

神山直樹ストラテジストは、「FRBの利下げが後手後手に回ることで、 来年前半の米実質成長率はマイナスとなる」と予測。さらに、「日本の今期企 業業績は前期比6-7%増、来期は増益率がゼロまで低下するだろう」との見 解を示した。

ロックフィ、丸善など下落見通し

個別では、2007年10月中間期の連結営業利益が会社計画を下回ったロッ ク・フィールド、第3四半期累計(2-10月)業績が営業損失となるなど業績 が低迷している丸善が安くなる見通し。

半面、07年12月期(9カ月変則決算)の連結営業利益予想を引き上げた エスエス製薬、日興シティグループ証券が投資判断を引き上げた東京ガス、最 大8万株の自社株買いを行うジュピターテレコムなどは相対的に下値が限定さ れそう。

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