SIV:資産が縮小-投げ売りリスクや救済基金の必要性が後退

金融市場の「がん」となったストラクチャ ード・インベストメント・ビークル(SIV)と呼ばれる簿外運用会社の資産 が縮小している。SIVの資産が投げ売りされて金融市場を一段と不安定化さ せるリスクや、ポールソン米財務長官が後押しする救済策の緊急性は薄れてい る。

SIVは短期証券を発行して調達した資金で、金融債や住宅ローン担保証 券(MBS)などの高利回り資産を購入する。格付け会社ムーディーズ・イン ベスターズ・サービスによると、SIVはこれらの資産を8月に比べ25%余り 少ない2980億ドル(約33兆3150億円)まで圧縮した。ブルームバーグ・デー タによれば、少なくとも840億ドル相当が、SIVを設立した銀行によって再 編されている。

ポールソン長官が苦境にあるSIVから資産を買い取る「スーパーSIV」 基金への協力獲得に努めている間に、英銀HSBCホールディングスや金融保 証会社のMBIAなどがそれぞれ傘下のSIVの救済に動いた。これにより、 SIVが資産を投げ売りし、米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住 宅ローン問題で揺れる信用市場を一段と動揺させるリスクは後退している。

ドレスナー・クラインオート・グループの信用アナリスト、プリヤ・シャ ー氏は「日ごとに、さらに多くのSIVが再編され投げ売りが回避されている」 として、「スーパーSIV基金がもたつくほど、その必要性は薄れるだろう」と 話した。

依然として懸念材料

サブプライム危機を背景に、SIVは資本市場への最大の脅威として浮上 した。ムーディーズによれば、SIVの純資産価値は55%と、1カ月前の71% や6月の102%から低下している。

SIVの保有する資産の価値低下や不明確さから、投資家はSIVの発行 する証券を回避し、複数のSIVが資金繰りに行き詰った。資産投げ売りを恐 れてポールソン長官は基金「マスター・リクイディティ・エンハンスメント・ コンデュイット(M-LEC)」構想の取りまとめに動いた。事情に詳しい複数 の関係者によると、大手米銀は先週、同基金を設定し資金拠出をほかの金融機 関に呼び掛け始めた。

30本前後のSIVの少なくとも半数についてはまだ、救済案が示されてい ない。発表された支援策についても、証券保有者の支持を得る必要がある。ロ イヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の信用アナリス ト、トム・ジェンキンス氏は、「M-LECが実現しないとはまだ言えない」と して、「SIVは依然として懸念材料だし、M-LECが買い取る資産はまだ十 分にある」と話した。

-- With reporting by Kevin Carmichael in Washington. Editor: Gavin Serkin, Andrew Reierson

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