東京外為:円が軟調、株高で売り安心感広がる-FOMC前で様子見も

午前の東京外国為替市場では円が軟調に推 移。内外株高を背景に円売り安心感が強まる中、円は対ドル、対ユーロで約1 カ月ぶり安値を付けた。ただ、海外時間に米連邦公開市場委員会(FOMC) を控え、声明内容やFOMC後の米国株の動向を見極めたいとの意向が強く、 円売り一巡後は様子見姿勢が広がった。

エービーエヌ・アムロ・バンク・エヌ・ブイ外国為替本部の高安佳子部長 は、「基本的にはFOMC待ちの姿勢」の中、欧米株に続いてアジア株も強いの で、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)がしっかりしていると説明。FO MCについては、0.25ポイントの利下げはすでに織り込み済みで、「声明で利下 げが今後も続くのかを一番見たい」といい、米国株の反応を見ながら、クロス 円がどのように動くかに注目している。

円が1カ月ぶり安値

この日の東京市場は、欧米株の上昇を背景に円売りが優勢となった海外市 場の流れを引き継いで始まった。ドル・円は1ドル=111円台後半で早朝の取引 を開始すると、午前9時半前には一時、111円94銭(ブルームバーグ・データ 参照、以下同じ)まで円が軟化。ユーロ・円も1ユーロ=164円台前半から一時、 164円66銭まで円売りが進み、それぞれ11月9日以来、約1カ月ぶりの円安値 を付けた。

もっとも、ドル・円の1ドル=111円後半から112円にかけては「国内輸出 企業のドル売りが結構入っているし、オプション系のバリアのドル売りもかさ んでおり」(みずほコーポレート銀行国際為替部・宮地崇調査役)、その後は円 が下げ渋る展開。ドル・円は111円70銭付近まで値を戻し、ユーロ・円も164 台半ばでのもみ合いに転じた。

円は対ニュージーランド・ドルでも11月9日以来の水準まで下落。対オー ストラリア・ドルでも11月19日以来、約3週間ぶり安値を付けた。

一方、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.47ドル台前半で小動きが続き、午前の 値幅は1.4705ドルから1.4728ドルと30ポイント未満にとどまった。

エービーエヌ・アムロ・バンクの高安氏は、ユーロ・ドルについて、欧米 金利差縮小見通しを背景に、少し底堅い感じにはなっているとしながらも、米 国企業による海外からの利益送金なども出てくるため、「1.48ドル台などに上が ってくるとユーロ売りが出る」と予想。「年度末に向けて需給相場になる可能性 が高い」とみている。

FOMC声明と米株の反応に注目

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物市 場の動向によると、FOMCが11日にFF金利誘導目標(現行4.5%)を0.25 ポイント引き下げる確率は7割強、0.5ポイントの利下げの確率は3割弱となっ ている。

また、市場では公定歩合(現行5%)の大幅利下げを予想する声があるほ か、利下げが実施された場合にFOMC声明で金融緩和の継続が示されるかど うかにも注目が集まっている。

みずほコーポレート銀の宮地氏は、今回のFOMCで利下げがあれば、 9月、10月と3回連続となり、「本格的な利下げ局面ということで、中期的には ドルが圧迫されやすい状況になる」と指摘。ただ、「短期的には声明で足元の景 況感についてどれだけネガティブな内容が出てくるか」がポイントになり、為 替相場は声明文を見た後の株式の動きにつられて動くとみている。

11日午前の東京株式相場は反発。前日の欧米株式市場に続いて、スイスの 銀行大手UBSの資本増強が好感され、日経平均株価は一時100円以上上昇し て1万6000円台を回復した。

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