石原都知事:法人事業税収3000億円強の移転受諾-「地頭に勝てぬ」(7)

東京都の石原慎太郎知事は11日午前、福 田康夫首相と首相官邸で会談し、都に集中している法人事業税収3000億円強 を財政力の弱いほかの自治体に移転する政府の提案を受け入れた。2016年夏季 五輪の東京招致への協力を条件にして、都と政府は具体化に向けて協議機関を 設置する。政府は2008年度税制改正大綱にこれを反映させる。

福田首相は見返りとして、都が進めている環状道路整備促進や夏季五輪の 東京誘致活動への財政保証などに政府が全面的支援することを約束した。石原 氏が会談後に明らかにした。石原氏は「国は策がなさ過ぎるというか、ずいぶ ん乱暴な話だ」と述べ、政府の対応を批判しながらも「泣く子と地頭と政府に は勝てない。抵抗するすべがない」と語った。

都税収の地方移転は、08年度の税制改正での焦点である都市と地方の財政 力の格差是正に向けた施策の一つ。みずほ証券の高田創チーフストラテジスト は、東京都に対する政府の提案について「地方と東京の間の話なので、マクロ 経済的にはあまり影響はないだろう」と分析した。

曽根泰教慶応大学大学院教授(政治学)は「東京は税収が多く集まりすぎ ており、実態として余っているので否定はできない」と語り、政府提案を拒否 するのは不可避だとの考えを示した。同時に「地方にどう手当てをするかとい うことだが、『財源がないから、あるところから持ってこよう』というかなり 姑息な手段だ」とも語り、地方交付税交付金の抜本的な検証が必要だとの認識 を示した。

福田首相は石原氏との会談について記者団に「税財源の話は税改革をする までの、つなげるための暫定的な措置だ」と言明。その上で「いろいろな大事 な課題について事務的な協議機関を設けましょうという話もした」と語った。

町村信孝官房長官は11日午後の記者会見で、首相と石原氏の会談につい て、「両トップの話し合いの結果、よい結論を導き出していただいた。合意を 歓迎している」と述べた。その上で、「都から、道路などのインフラ整備や耐 震対策、治安対策、五輪誘致の全面的な支援などいくつかの要望や期待がある ようだ。政府としてもできるだけ都の期待に応えていきたい」と語った。

石原氏は会見で、税収3000億円強の移転について「政府が時限立法でや ることであり、その後は消費税をいじらないとできない」と述べ、09年度の税 制改正では消費税率引き上げを含む抜本改正が不可避だとの考えを強調した。

みずほ証券の高田氏は「消費税率の引き上げも石原都知事と関係なく、い ずれ引き上げは必要だと思う。ただ今の状況では、与党の議論でも景気自体が 盛り上がっていないから財政面での必要性は認識しているものの、すぐにでき るものではない」と語った。

--共同取材 東京 坂巻幸子、廣川高史、池田祐美 Editor : Eijiro Ueno, Masashi Hinoki, Tesuzo Ushiroyama

参考画面: 記事についての記者への問い合わせ先: 東京 山村敬一 Keiichi Yamamura +81-3-3201-8656 kyamamura@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net Peter Langan +81-3-3201-7241 plangan@bloomberg.net

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