FOMC:FF25bp下げ、金融市場悪化で先行き一段と「不透明」(5)

米連邦準備制度理事会(FRB)は11日、 連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、フェデラルファンド(FF)金利の誘 導目標を25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げ4.25%に設定す ることを決めた。政策金利の引き下げ決定は9対1。ローゼングレン・ボストン 連銀総裁は50bpの利下げを要求して、議長提案に反対票を投じた。

FRBは地区連銀の窓口貸し出しに適用する公定歩合を25bp引き下げて

4.75%とした。FRBはニューヨークはじめ7地区連銀の理事会が提出してい た25bpの引き下げ申請を承認した。ローゼングレン総裁の50bp利下げ要求から みて、ボストン連銀理事会は公定歩合50bp引き下げを申請したとみられる。

市場参加者の間ではFF金利の誘導目標25bp引き下げと同時にFRBが 公定歩合を50bp引き下げるという観測が高まっていた。FRBは地区連銀の公 定歩合変更申請を承認する形で同金利を決定するため、ボストン連銀が50bp の引き下げを申請していれば、それを採用することも可能だった。ただ、過半数 7地区連銀が25bpの引き下げ要請にとどめており、50bp引き下げへの動きは大 勢とはならなかった。

追加利下げに含み

FOMCによるFF金利誘導目標の引き下げは9月18日、10月31日に続き 3回連続。下げ幅は合計100bpになった。新たなFF金利誘導目標4.25%は、 住宅市場がピーク圏にあった2005年12年13日のFOMCで決定された水準と 一致する。

FOMCは声明で、「金融市場の状況悪化を含む最近の展開で、経済成長と インフレの見通しは不透明感を増した。委員会は金融や他の動向が経済面に与え る影響を引き続き見極めつつ、物価安定と持続的な経済成長を促進するために必 要に応じて行動する」と指摘した。

10月31日の前回声明は「インフレ率上昇リスクと成長下振れリスクがお おむね均衡すると判断した」と、成長とインフレをめぐるリスクがほぼ一致し たとしていた。今回は成長、物価とも「不透明感が増した」と指摘、追加利下 げに含みを持たせた。

元ニューヨーク連銀調査ディレクターであるブランダイス大のスティーブ ン・チェケッティ教授は、「状況が悪化すれば、追加利下げが実施されよう」と 述べた。金融条件が劇的に改善されなければ、1月30日の次回FOMC定例会 合前に緊急利下げもあり得るという。

株安・債券高で反応

FOMCの決定を受け、ニューヨーク株式市場では、25bpの小幅利下げで はリセッション(景気後退)は避けられないとの見方が広がり、売りが先行。 ダウ工業株30種平均は前日比294.26ドル(2.1%)安の1万3432.77ドルで引け た。一方、米国債市場ではリセッション入りを織り込む形で買いが先行。2年債利 回りは前日比22bp低下して2.96%と、3%台を割り込んだ。

FOMC声明は景気の現状と見通しについて、「住宅調整の本格化」に加え て、今回初めて「企業ならびに消費者の支出の弱まり」を指摘、先行きへの警戒 感を強めている。さらに、声明は「金融市場の状況悪化」に言及、前回声明に比 べ金融市場混乱に伴う悪影響を強調している。

リスクバランス削除の意味

その上で、声明は10月に示していた「インフレ率上昇リスクと成長下振れ リスクはほぼ均衡する」とのリスクバランスを削除。9月声明と同様の形で、将 来の政策に対して自由度を確保した。

10月の前回FOMC会合でも今回と同様、9対1で25bpのFF金利誘導目 標引き下げが決まっていた。しかし、前回はホーニグ・カンザスシティー連銀総裁 が金利据え置きを主張して議長提案に反対したのに対し、今回はローゼングレン・ ボストン連銀総裁が50bpの大幅利下げを要求して小幅利下げに反対票を投じてお り、趨勢は前回の金利据え置き方向から追加利下げ方向に傾いている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE