日本株は反発へ、輸出や金融中心に買い-UBS資本増強を好感(2)

東京株式相場は反発する見通し。スイスの 銀行大手UBSが10日、シンガポールと中東の政府系ファンドから資本増強を 実施したことを受け、世界的な金融不安が徐々に後退。サブプライム(信用力の 低い個人向け)ローン問題が落ち着きを取り戻しつつあることから、トヨタ自動 車やキヤノンなどの輸出関連株のほか、三菱UFJフィナンシャル・グループな どの銀行株が買われそうだ。

ファンドクリエーションの木下晃伸インベストメントアナリストは、「UB Sの資本増強はポジティブ材料だ。国内銀行の不良債権問題を振り返ると、メガ バンクの資本増強をきっかけに株価は上昇した。海外でも同様の動きとなるだろ う」と見ている。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物12月物の10日清算値は1万6030 円で、大阪証券取引所の終値(1万5890円)に比べて140円高だった。取引開 始直後はCMEの終値にさや寄せして上昇して始まる可能性が高い。

S&P金融株指数は1カ月ぶり高値

米サブプライムローン問題を背景にした海外金融機関の損失拡大懸念が和ら いでいる。スイスのUBSは10日、米サブプライムローン関連投資で100億ド ル(約1兆1200億円)の評価損を計上し、シンガポールと中東の投資家からの 出資を受け入れ、資本増強すると発表した。金融不安が落ち着くとの見方から 10日の米国株式相場では金融株中心に買いが先行。S&P500種株価指数に採用 される金融株で構成する株価指数は、1カ月ぶりの高値を更新した。

主要株価3指数の終値は、S&P500種株価指数は前週末比11.30ポイント (0.8%)高の1515.96。ダウ工業株30種平均は101.45ドル(0.7%)高の

13727.03ドル。ナスダック総合指数は12.79ポイント(0.5%)高の2718.95で 終えた。

一方、住宅市場の悪化懸念も後退している。全米不動産業者協会(NAR) が10日発表した10月の中古住宅販売成約指数は87.2と、前月比0.6%上昇し た。ブルームバーグのまとめたエコノミスト調査では1.0%の低下(予想中央 値)が見込まれていた。9月は1.4%上昇と、速報の0.2%上昇から上方修正さ れた。ナショナル・シティーのチーフエコノミスト、リチャード・デカーザー氏 によると、「現時点ではこれ以上悪化する公算は小さい」という。

FOMC控え様子見も

もっとも、米国では11日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控 え、朝方の買い一巡後は利下げ幅やFOMC後のコメントを見極めようと様子見 姿勢も強まりそうだ。市場では大幅な追加利下げ観測が後退している。ブルーム バーグ・プロフェッショナルでFF金利の先物相場から算出、市場が織り込むF RBの利下げ度合いをみると、11日時点で4.5%から4.25%に0.25%引き下げ るとの見方が72%と、1週間前の52%から増加。一方、4.5%から4.0%に

0.5%引き下げるとの見方は28%と、48%から減少している。

MGI買収のエーザイが上昇公算

個別では、米バイオファーマ企業のMGIを買収すると発表したエーザイの ほか、測量・計測機器を製造するソキアを買収すると発表したトプコンなどが上 昇する見込み。チノンテック社と光学部品事業の強化を目的に資本・業務提携す ることで合意した日立マクセルが堅調に推移しそうだ。

このほか、バレンタインなどで増収を確保し、第3四半期(2-10月)の 単体営業損益が前年同期の3億300万円の赤字から7600万円の黒字に浮上した モロゾフも上昇公算。新興市場では、プリペイド型電子マネー「Edy(エデ ィ)」事業を展開しているビットワレットと、共同マーケティング分野で包括的 な提携をすることで基本合意したと発表した楽天も買われる見通し。

半面、11日付の日経新聞朝刊で、09年度中に予定していた有機EL(エレ クトロ・ルミネッセンス)テレビの発売を延期すると報じられた東芝のほか、貸 倒引当金の計上により、07年12月期の連結純損失予想を130億円から186億円 に下方修正したGMOインターネットが軟調に推移しそうだ。

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