NY外為:円、下落―米利下げ観測でキャリー取引が活発化

ニューヨーク外国為替市場では円が 対ユーロ、対ドルで下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)が11日に実施 するとみられる利下げにより、低金利の日本で資金を調達し、高利回り通貨で 運用する「キャリー取引」が活発化するとの思惑から円売りが優勢になった。

FOMCの利下げが世界の経済成長を下支えるとの見方からオーストラリ アと南アフリカの通貨が上昇した。フェデラルファンド(FF)金利先物相場 はFOMCが住宅不況によるリセッション(景気後退)を回避するため、 政策金利を4.25%に引き下げることを完全に織り込んでいる。

オンライン外為取引会社ゲイン・キャピタル傘下のフォレックス・ドッ ト・コムのチーフ通貨ストラテジスト、ブライアン・ドラン氏は「FOMCの 時宜を得た政策により、米景気は失速を免れるとの期待があり、それは金融市 場にも投資家心理にも良いことだ。高利回り通貨が円に対して一段高になる可 能性が高い」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時22分現在、円はユーロに対して1ユーロ= 164円24銭に下落。一時は11月9日以来の安値を付けた。前週末は163円 73銭だった。対ドルでは1ドル=111円66銭と前週末からほぼ変わらず。一 時は111円89銭と、11月9日以来の低水準を付けた。ユーロは対ドルで1 ユーロ=1.4711ドルと、前週末の1.4658ドルから上昇した。

米国株も上昇し、高リターンの期待できる資産への買い意欲が高まってき たことを裏付けた。金融保証会社MBIAがプライベート・エクイティ(PE、 未公開株)投資会社のウォーバーグ・ピンカスに対して10億ドル(約1117 億円)の第三者割当増資を実施することを明らかにしたため、信用市場の損失 に対する懸念が後退。S&P500種株価指数は0.7%上昇した。

ユーロとインフレ

欧州中央銀行(ECB)政策委員会のメンバーがインフレを懸念している と言明したことから、ユーロ圏の利上げ観測が強まり、ユーロが対ドルと対円 で上昇した。

シュタルクECB理事はユーロ圏のインフレ率が2009年にECBの目安 以下に低下するという同行スタッフの予想について、ECB政策委員会が同意 しているわけではないと述べた。政策委員会メンバー、フィンランド中央銀行 のリッカネン総裁は「中期的に物価安定に対する上振れリスク」があると指摘 した。

MFグローバル・リサーチのシニア通貨アナリスト、マイケル・マルピー ド氏は「インフレを警戒するタカ派的なコメントがECB高官から出たため、 ユーロが上昇している」と述べた。

ECBの政策金利

EURIBOR(欧州銀行間出し手金利)先物3月限は前週末比5ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇の4.57%。ECBの政策金利 は4%。

シカゴ商品取引所(CBOT)でFF金利先物相場が示す0.5ポイントの 大幅利下げの確率は26%。4.25%までの小幅利下げの確率は74%となってい る。1週間前はそれぞれ40%と60%だった。ブルームバーグが124人のエコ ノミストを対象に実施した調査によると、予想中央値は4.25%への利下げ。

主要6通貨に対するドル指数は0.3%安の76.062。11月23日には

74.48と、1973年の指数導入以来の最低水準を付けた。年初からは9%下げ ている。

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