東京外為:ドル・円もみ合い、米雇用堅調も株価警戒-111円半ば中心

午前の東京外国為替市場ではドル・円相場 は1ドル=111円台半ばを中心に上下に振れる展開となった。米国で雇用の伸び が市場予想を上回ったことで、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ロ ーン問題が実体経済に悪影響を及ぼすとの懸念が緩和。ただ、11日の米連邦公 開市場委員会(FOMC)での利下げが小幅にとどまるとの見方から、株安・ 円買いの展開が警戒された。

新光証券の林秀毅グローバルストラテジストは、米雇用統計の結果が思っ たほど悪くなかったことから、市場の安定化につながったと指摘。しかし、米 国の利下げ幅について、「0.5ポイントの可能性は低くなっており、期待感の修 正に伴って世界的に株価が下振れてきていることから、ドル買い・円売りの動 きは進みにくい」と説明している。

米雇用堅調もFOMC後の株価動向を警戒

米労働省が7日に発表した11月の雇用統計によると、非農業部門の雇用者 数は前月比で9万4000人の増加と、ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場 予想の中央値8万人増を上回った。また、10月分も速報の16万6000人増から、 17万人増に上方修正されている。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物市 場の動向によると、FOMCが11日に0.5ポイントの利下げを実施する確率は 24%と、前日の36%から低下。0.25ポイントの利下げ確率は76%となった。

7日のニューヨーク外為市場では、ドルの買い戻しが進み、対円では111 円79銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)と、11月9日以来のドル高 値を付けた。

一方で、米国の株式市場では、大幅利下げ期待の後退を受けて、3株価指 数のうち、S&P500種株価指数とナスダック総合指数が下落。この日の東京市 場では、日経平均株価が上昇して取引を開始したものの、その後はマイナス圏 に落ち込んでいる。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部の湯本健一ヴァイスプレジデン トは、「雇用統計の改善を受けて0.5ポイントの利下げ期待が後退しており、F OMCが期待外れの結果になれば、株価に動揺が走る可能性がある」として、 株高・円安というシナリオが崩れ、円の買い戻しが進む展開もあり得るとみて いる。

ユーロ・円相場は前週末の海外市場で一時1ユーロ=163円90銭と、11月 14日以来の水準までユーロ高・円安が進行したが、週明けの東京市場では163 円20銭まで円が買い戻される場面もみられている。また、ドル・円相場も早朝 の取引で111円73銭を付けたあとは、111円35銭まで円が値を戻している。

中国利上げでアジア株動向も注目

そうしたなか、8日には中国人民銀行が景気過熱を阻止するため、預金準 備率を14.5%と、1ポイント引き上げると発表。引き上げ幅はここ4年間で最 大となった。

SG銀の湯本氏は、「中国が金融引き締め局面入りしていることは市場に浸 透しているが、今回の利上げ幅が従来よりも倍だったことから、上海株の動向 が注意される」としている。

市場では、日本株やアジア株が軟調となれば、クロス・円で利益確定目的 の外貨売り・円買いが進む可能性もあるとの指摘も聞かれている。

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