米大手資産運用会社が米証券株買い増し-ウォール街、最悪の事態でも

米証券業界が最悪の事態を迎えるとウォー ル街のアナリストらが予想するなか、米大手資産運用会社は目をつぶって証券 各社の株式を買っている。

T・ロウ・プライス・グループとレッグ・メイソンは6月以来、合わせて 約10億ドル(約1116億円)を使ってゴールドマン・サックス・グループやモ ルガン・スタンレー、リーマン・ブラザーズ・ホールディングス、ベアー・ス ターンズの持ち株を積み増した。これら証券各社の業績は2007年上期に過去最 高を記録してから落ち込んでいる。資産家のジョゼフ・ルイス氏もベアー・ス ターンズの株買い増しに10億ドル以上を投じ、ダラス在勤の投資家ジェーム ズ・バロー氏もベアー・スターンズ株の持ち分を3倍に引き上げた。

過去1カ月にわたって証券株を買い増してきたT・ロウ・プライスのアナ リスト、エリック・ベイエル氏は「短期的には誰もが思うほどひどい状況だと 考える」と指摘しつつ、向こう2年間では、「この業界の多くの株は2倍に上が る可能性がある」と述べた。

ブルームバーグ・ニュースがアナリスト10人を対象に実施した調査によれ ば、モルガン・スタンレーとベアー・スターンズは四半期ベースでは約20年ぶ りの赤字決算となる可能性がある。リーマンが今週後半に発表予定の07年9- 11月(第4四半期)決算は前年同期比15%減益が、ゴールドマンの同四半期決 算は2%減益が、それぞれ見込まれる。メリルリンチが1月に発表する07年 10-12月(第4四半期)決算は2四半期連続で赤字となる可能性がある。

これら5大証券会社の株式を保有するアルパイン・ウッズ・キャピタル・ インベスターズで運用に携わるピーター・コバルスキ氏は「第4四半期は基本 的に終わった期であり、08年の見通しに意味がある」と語る。

ニューヨークを拠点とするこれら投資銀行各行は住宅ローン関連証券の損 失を受け、株価が低迷している。AMEX証券会社株指数は年初来で12%下落 と、S&P500種株価指数の6.1%上昇と好対照だ。

1990年の再来か

ベアー・スターンズの持ち株を6月30日から9月30日の間に3倍に引き 上げて1070万株とした投資家のバロー氏は株価について、「底値に近い」と指 摘する。メリルやJPモルガン・チェース、シティグループ株も保有する同氏 は「株を今買えば、しばらく苦しい局面もあるかもしれないが、1年以内にこ れらの株式は市場を上回る成績を上げるだろう」と語った。

レッグ・メイソンの最高投資責任者ビル・ミラー氏も「金融株は1990年以 来の安さだ」と述べる。同氏が現在の状況と比較する1990年は、景気減速とジ ャンク債相場が崩れるなか、証券株が11-12月に底を打ち、米国がリセッショ ン(景気後退)入りした1991年には上昇。当時、メリル株は185%、ベアー・ スターンズは85%それぞれ上昇した。モルガン・スタンレーは134%高。

ミラー氏は4日、米証券各社について、来年も「あと数四半期は評価損に 見舞われるだろう」とした上で、「問題は株価に織り込まれているのは何かとい うことだ」と語っている。

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