米成長率1%未満に低下なら株式相場は上昇-ストラテジストの見方

市場エコノミストの大半は、来年の米経済 の成長鈍化またはリセッション(景気後退)入りを予想しているが、これだけ でS&P500種株価指数は最高値を更新するという市場ストラテジストの予想 が外れることにはならない。

ブルームバーグの集計データによると、米国の年間成長率が1%未満だっ た年はトルーマン政権以降の60年間で10回あったが、うち8回はS&P500種 の年間騰落率がプラスだった。

過去16年間で最悪の住宅不況が続くなか、米連邦準備制度理事会(FRB) は11日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を引き下げる見通しだ(先 物取引を基にした予想による)。

ウェルズ・キャピタル・マネジメントやモーガン・キーガン、ラッセル・ インベストメント・グループのファンドマネジャーは、来年は金利低下に伴っ て年末までに成長が加速し、株式相場も20年ぶりの最長上昇記録を達成するこ とになると予想する。

ウェルズ・キャピタルの主任投資ストラテジスト、ジェームズ・ポールセ ン氏は「危機的な状況は、金利低下や大量の流動性注入、割安な株価、数多く の悲観論といった上昇につながる材料を残してくれる」と指摘。「最大の不確 実性と不安は、次の上昇局面を呼び込むことが多い」との見方を示した。

市場ストラテジストの間では、金融政策によって米国のリセッションが回 避され、投資家は恩恵を受けることになるとの見方が多い。

コーエン、レブコビッチ、ゴラブ氏

ゴールドマン・サックス・グループの主任投資ストラテジスト、アビー・ コーエン氏とシティグループの主任米国株ストラテジスト、トビアス・レブコ ビッチ氏は、S&P500種が来年1675に上昇して最高値を更新すると予想して いる。より強気なベアー・スターンズの主任投資ストラテジスト、ジョナサン ・ゴラブ氏は1700への上昇を見込んでいる。

先週のS&P500種は前週比1.6%高の1504.66で取引を終了。年間騰落率 はプラス6.1%となった。来年の年間騰落率がプラスになれば6年連続で、8年 連続のプラスだった1982-89年以来の最長記録となる。

コーエン氏は、「友好的な」FRBが景気と利益の伸びを再び呼び起こす のに十分な利下げを実施するという見通しを、株価上昇予想の根拠にしている。 ベスポーク・インベストメント・グループによると、FRBが少なくとも3度 の利下げを実施した年は1950年代以降で12回あるが、うち11回は年間ベース で株式相場が上昇。S&P500種の平均上昇率は19.2%だという。

過去の利下げ局面

ベスポークによると、利下げが実施された上、年間成長率も1%未満だっ た年は6回あり、平均上昇率は23%となっている。

FRBの過去の利下げ局面では、政策金利が平均で4.92%まで引き下げら れた。現行水準はこれより低い4.50%。先物取引を基にした予想によると、11 日のFOMCではフェデラルファンド(FF)の誘導目標がさらに少なくとも

0.25ポイント引き下げられ、4.25%になる見込みだ。

モーガン・キーガンの株式ストラテジー担当共同ディレクター、ジョン・ ウィルソン氏は「株式を持つのに魅力的な時が来たことを示す要因が山ほどあ る」と指摘した。

ブルームバーグの集計データによると、S&P500種採用企業の株式益回り (1株利益を株価で除した数値)は5.43%と、米10年国債の利回り(3.94%) を上回っている。その差は少なくとも1986年以降で最大だ。

グリーンスパン前FRB議長が1997年に言及したいわゆる「FEDモデル」 によると、株式益回りが債券利回りを上回ると、株式相場は相対的に割安にな る。

ウェルズ・キャピタルのポールセン氏は「米経済がリセッション入りする ことはない。一方で株式相場は割安な水準になった」と指摘。「導かれる結果 は、上昇だ」と語った。

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