UBS:サブプライムで100億ドルの評価損-資本増強実施へ(3)

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資産規模で欧州最大の銀行、スイスのU BSは10日、米サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)関連 投資で100億ドル(約1兆1200億円)の評価損を計上し、シンガポールと中 東の投資家からの出資を受け入れ、資本増強すると発表した。

UBSが電子メールで配布した資料によれば、同行は2007年10-12月(第 4四半期)の黒字予想を撤回し、07年通期は赤字となるとの見通しを示した。

UBSは転換社債130億スイス・フラン(約1兆2800億円)をシンガポー ル政府投資公社(GIC)と中東の投資向けに発行する。中東の投資家は1社・ 団体もしくは1人で、具体的な名称は公表されていない。GICは110億スイ ス・フランを投じUBS株9%を取得し、中東の投資家は20億スイス・フラン 出資する。

スイスカント・アセット・マネジメント(チューリヒ)でUBS株を含め 500億ドル相当の運用に携わるディーター・ウィネット氏は、「非常に悪いニュ ースを良いニュースと組み合わせて発表するUBSはかなり賢明だ。資本増強 がしっかりとなされることはプラス材料で、これがプライベートバンキングと 資産事業における信頼回復の一助となるだろう」と述べた。

10日のスイス株式市場では、UBSの株価は一時、前週末比3.4%安とな った。チューリヒ時間午前9時4分(日本時間午後5時4分)までに1.2スイ ス・フラン(2.1%)安の56スイス・フランとなっている。同行株は過去1年 間で23%下落し、時価総額が250億スイス・フラン余り縮小している。

米銀最大の銀行シティグループは先月、資本増強のため戦略的投資家から の出資を受け入れると発表。アラブ首長国連邦(UAE)を構成するアブダビ 首長国の政府系ファンド、アブダビ投資庁が現金75億ドルをシティに投じる。

配当

UBSはまた、消却を予定していた自己株3640万株を売却し、約20億 スイス・フランを調達する計画。07年分の現金配当を株式による配当に切り替 える。これにより資本が44億スイス・フラン膨らむという。社債発行と配当 の変更は来年2月半ばの臨時株主総会での承認が必要となる。

マルセル・ローナー最高経営責任者(CEO)は資料で、UBSの「サブ プライム関連資産の最終的な保有額に関する憶測がここ数四半期続いていたが、 引き続き不明であり、混乱要因となっている。今回の評価損計上はこの門題を 最大限明らかにするためのもので、憶測を大きく減らす効果がある」と述べた。

過去1カ月間に示されたアナリスト5人による予想の平均値では、UBS は10-12月期に約26億スイス・フランの評価損を計上すると見込まれていた。

ABNアムロ・ホールディングのアナリスト(ロンドン在勤)、キナー・ラ クハニ氏はUBSの発表前に、「業界は一段と積極的な評価額見直しへと動いて きた」とした指摘。これまでのUBSの減損処理はまだ業界の基準に比べ遅れ ていたと述べていた。

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