ブッシュ政権のサブプライム救済策:米住宅市場の改善には効果なしか

変動金利型の米サブプライム(信用力の低い 個人向け)住宅ローンの金利を一定期間凍結することで最大120万人の住宅所有 者を救済するポールソン財務長官の計画は、悪化を続ける米住宅市場に何の効果 ももたらさない可能性がある。

ハーバード大学のジョイント・センター・フォー・ハウジング・スタディー ズのディレクター、ニコラス・レツィナス氏は「せいぜいが、傷ついた住宅市場 の応急措置になるぐらいで、必ずしも市場の好転にはつながらない」と指摘。 「住宅市場の基本的な問題は供給過剰だ」と説明した。

ムーディーズ・エコノミー・ドット・コムのチーフエコノミスト、マーク・ ザンディ氏は、たとえ来年に金利リセット(改定)を迎える06年に設定された サブプライムローンの5分の1で金利が凍結されたとしても、中古住宅価格が 2009年までに昨年のピーク時から最大15%下落する可能性があると予想する。 ザンディ氏は5日に行った米上院司法委員会での証言で、08、09年におよそ280 万件の住宅ローンの焦げ付きが発生するとの見通しを示した。

ただ、米マクロマーケッツの主任エコノミストでエール大学の教授も務める ロバート・シラー氏は、米政府による今回の救済策が「住宅市場の冷え込みの程 度を緩和する」可能性はあると指摘する。しかし「過去の景気循環を参考にすれ ば、5-10年間は市場の低迷が続き得る」と予測した。

6日には61人のエコノミストが議会宛の書簡で、ポールソン長官の救済計 画への反対を表明。「米住宅市場の現在の傾向への対策としての過剰な規制や、 連邦政府の介入に反対するよう」議会に求めた。

ザンディ氏は、米新築・中古住宅販売件数は08年初めに年率換算525万戸 で底入れすると予想。ピークだった05年半ばは同850万戸だった。

ザンディ氏によれば、ポールソン案が成功するか否かは、ローンサービス会 社の既存の住宅ローンの条件変更作業を処理する能力にかかっている。住宅ロー ンサービス会社は借り手と交渉することが認められているが、現在までのところ ムーディーズ・インベスターズ・サービスが調査したローンのおよそ1%しか変 更されていないという。

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