日本株(終了)日経平均は一時16000円回復、米対策で輸出や市況高い

週末の東京株式相場は3日続伸。日経平均 株価は取引時間中に、1カ月ぶりとなる1万6000円を回復する場面があった。 米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題に対する政策に より、米国景気に対する過度の懸念が後退し、トヨタ自動車など輸出関連株を 中心に幅広く買われた。原油高や米利下げ期待も追い風となり、大手商社に加 え、鉄鋼、海運など世界景気に敏感な市況関連業種の上げも目立つ。

第一生命保険相互株式部の国井保博課長は、「金利凍結、流動性供給、利 下げと、米国はサブプライム対策でさまざまな手を打っている」と指摘。政府 対策の内容に驚きはないが、実体経済への波及を懸念していた向きには安心感 につながる内容だったという。その上で国井氏は、「金融機関の損失が今後表 面化する場面があったとしても直近安値を割り込むことはないだろう」と予想 した。

日経平均株価の終値は前日比82円29銭(0.5%)高の1万5956円37銭、 TOPIXは9.49ポイント(0.6%)高の1561.76。東証1部の売買高は概算 で21億8419万株、売買代金は2兆8358億円。値上がり銘柄数は1053、値下 がり銘柄数は539。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が23、値下がり業種が 10。卸売、輸送用機器、鉄鋼、機械、化学、不動産、建設が高い。半面、銀行、 医薬品、証券・商品先物取引、食料品、精密機器は安い。

スピード感を評価、日本株にも修正余地

米国で6日に発表された米サブプライム住宅ローン問題への対策は、2010 年7月までに変動金利(ARM)型住宅ローンの金利リセット(改定)を迎え る借り手を対象に、一部のローン金利を5年間凍結することが骨子。今回の対 策によって債務者の金利負担の急上昇が回避される見通しで、「今回のスキー ムは、サブプライムローン問題に対してかなりの有効策になる可能性が考えら れる」(野村証券金融経済研究所の木内登英チーフエコノミスト)との見方が 出ている。

ソシエテジェネラルアセットマネジメントの白石茂治顧問は、「日本は不 動産のバブル処理に10-15年かかったが、官民上げての政策スピードが違う 米国は、日本のようにはならないだろう」と述べた。同氏によると、金融機関 のサブプライム関連の実現損は700-800億ドル。IMF(国際通貨基金)の 最大2000億ドルから考えてまだ3分の1程度しか表面化しておらず、不安材 料は完全に払しょくしていないものの、「株価という面では、大きなヤマ場を 越えつつある」(同氏)という。

日経平均は需給の節目とされる、11月7日と8日の間の窓(チャート上の 空白)である1万6081円水準を上回り、市場では底入れムードも漂っている。 11月末のPCFR(株価キャッシュフロー倍率)はMSCIベースの世界平均 が10.8倍なのに対し、日本は9倍まで低下したとする白石氏は、「来年前半 の日本株は割安感が修正されるだろう」と予測していた。

米利下げ期待高まる、鉄鋼など市況関連高い

上昇が目立ったのは市況関連株。商社や鉄鋼、非鉄金属、海運などが東証 1部業種別上昇率上位を占めた。米サブプライム住宅ローン問題対策で世界経 済に対する過度な悲観論が後退した上、「米政府の本腰の対策によって、利下 げも0.5%の可能性が高まった」(第一生命の国井氏)。過剰流動性による商 品市況への期待感も株価を後押しした。

中でも鉄鋼株は東証1部業種別上昇率で首位となった。世界最大の製鉄会 社、オランダのアルセロール・ミタルは7日、中国の鉄鋼メーカー、中国東方 集団を買収する計画を明らかにした。業界再編期待も刺激となっている。

午後は伸び悩みも

もっとも、日経平均は午後に233円高の1万6107円まで上昇する場面が ありながら、終値では伸び悩んで1万6000円台を維持できなかった。取引開 始前に発表された7-9月期の日本の実質GDP(国内総生産)改定値は、前 期比では0.4%増(1次速報は前期比0.6%増)となった。民間設備投資は同

1.1%増と1次速報の1.7%増から下方修正された。

大和証券SMBCエクイティ・マーケティング部の高橋和宏部長は、「法 人企業統計を受けて増額が期待されていた設備投資が、逆に下方修正されたこ とはネガティブ」とし、国内では相場に対するプラス材料がないと見ていた。

また、米国時間7日には雇用統計、来週にはFOMCや日本銀行の企業短 期経済観測調査と重要日程も目白押しとなっている。「重要日程を控え、日経 平均1万6000円台は目標達成感から戻り売や利益確定も出やすい」(ちばぎ んアセットマネジメントの大越秀行運用部長)という。

ティアックが急伸、レンゴー大幅安

個別では、アップルの携帯音楽プレーヤー向けの部品拡大が評価されたテ ィアックが東証1部値上がり率2位と急騰。08年10月期連結営業利益予想が 前期比27%増と過去最高を更新するシステムプロが値幅制限いっぱいのストッ プ高となり、11月の売上高が前年同月比で2カ月連続増となったセシールも上 げた。11月の海外受注が好調だった牧野フライス製作所は大幅続伸。

このほか、大和ハウス工業など住宅株も高い。2008年度税制改正で、自民 党税制調査会が個人向けの住宅優遇税制を延長・拡充する方針を固めたと7日 付の日本経済新聞朝刊が報道。低迷する住宅投資への下支え期待が高まった。

半面、アライアンス・バーンスタインの保有比率低下が明らかになったレ ンゴーが大幅安。月次の既存店売上高が堅調で6日午後に急騰していたタカキ ューが急反落となり、ゴールドマン・サックス証券が格下げしたリコーは3日 ぶり小反落。売買代金上位ではみずほフィナンシャルグループ、三井住友フィ ナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループの大手銀行株がそろっ て下げた。

新興3市場は下げる

国内新興3市場は下げた。ジャスダック指数の終値は前日比0.32ポイン ト(0.4%)安の75.15と3日ぶり反落。東証マザーズ指数は26.53ポイント (2.9%)安の885.23と続落した。大証ヘラクレス指数は10.22ポイント (0.8%)安の1317.20と3日ぶりの下落。個別では楽天、MICメディカル、 エイチアイ、ディー・エヌ・エー、ミクシィ、シナジーマーケティングが安い。 半面、ニューフロアテクノロジー、ブイ・テクノロジー、シナジーマーケティ ングは高い。

大和総研フロンティア企業調査室の古島次郎室長は、「新興市場は9月末 から急騰して11月には下落したが、売買代金が1000億円以上と流動性が確保 された状態での調整になっている」と分析。夏場の調整時には売買代金が低下 していたことから、足元では「底堅い推移をしている」(同氏)と話した。

同社が中小型株を対象として業績を集計したところ、07年度経常利益は前 年度比9%増、08年度は今年度予想比18.8%増となる見込み。07年度は3カ 月前の調査では17%増を予想していたが、固定費や原材料の上昇による製造業 の固定費増加や、住宅着工の悪化によるDIYや家具など小売業の売り上げ下 方修正が響いた。

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