米サブプライム危機が世界に波及-「デカップリング」は間違いか

結局は米経済が問題のようだ。エコノミス トらによれば、米住宅ローンの焦げ付き急増に伴う信用市場の混乱とドルの下 落が英国、カナダ、ドイツの景気拡大を危うくしている。

米証券大手のゴールドマン・サックス・グループとモルガン・スタンレー のアナリストが指摘していた「デカップリング」、つまり米景気減速の影響が 他国・地域の経済に及ばないという主張が誤りであることも証明されたよう だ。

イングランド銀行とカナダ銀行は今週、米連邦準備制度理事会(FRB) に追随し、利下げに踏み切った。イングランド銀のキング総裁はインフレ懸念 を2週間前に表明したばかり。欧州中央銀行(ECB)は来年の経済成長見通 しを下方修正した。

ゴールドマンのエコノミスト(ニューヨーク在勤)、ピーター・ベレジン 氏は、「2008年は『リカップリング』の年になる。米国特有の問題として始ま ったショックが、世界的なショックに変わりつつある」と述べ、同社の認識が 変わったことを説明した。

ゴールドマンがモニターしている38カ国のうち、同社のエコノミストは 26カ国で景気拡大が鈍化し、12カ国で加速すると見込んでいる。来年の世界経 済成長率は4%と、今年の4.7%から低下し、欧州と日本は米国より速いペー スで景気が減速すると見込んでいる。

モルガン・スタンレーのアジア部門会長、スティーブン・ローチ氏はイン ドのニューデリーでの2日のインタビューで、デカップリングは「良くできた ストーリーだが、今後は違うだろう」と言及。同社のスティーブン・ジェン氏 はその前週のリポートで、米経済のリセッション(景気後退)入りの可能性が 高まっていることから、世界経済の先行きが危うくなるリスクも増大している と指摘した。

ソシエテ・ジェネラルの経済調査ディレクター(ロンドン在勤)、ブライ アン・ヒリアードは、「米サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融 資)危機のインパクトは当初、米国に対する直接的なものだったが、今やさま ざまな市場や国々で信用市況のまひが広がっているようだ」と述べた。

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