英中銀の2年4カ月ぶり利下げ、景気減速対応重視でインフレ加速も

景気減速を回避しようとするイングランド 銀行の取り組みは、インフレという頭痛を悪化させそうだ。

イングランド銀は6日の金融政策委員会(MPC)で、金融市場の「悪化」 による経済成長の下振れリスクを理由に、政策金利を0.25ポイント引き下げ、

5.5%とした。キング総裁は2週間前、インフレ見通しについて、「以前ほど明 るくない」と指摘しており、政策が180度転換したことになる。

ABNアムロ・ホールディングのエコノミスト、ドミニク・ホワイト氏(ロ ンドン在勤)は、「イングランド銀行がインフレ対策を軟化させるリスクがある」 と指摘した。

2年ぶりとなった今回の利下げで、消費者物価の抑制は一段と困難になる 可能性がある。英国の生活コスト見通しは過去2年で最も高い水準となってお り、10月のインフレ率は4カ月ぶりに中銀目標の2%を上回った。

信用コスト上昇に加えて、住宅不況が近いことを示唆し、11月のサービス 部門の伸びがこの4年で最低となったことを示す経済指標を受け、イングラン ド銀は利下げに動いた。同中銀の政策転換は欧州中央銀行(ECB)とは対照 的で、6日のECB定例政策委員会では一部メンバーが利上げを主張した。

イングランド銀にとって危険なのは、今回の政策決定で、前回(2005年8 月)の利下げが引き起こした過ちを繰り返しかねないことだ。当時のMPCメ ンバーらは、景気減速の兆しを受けて、キング総裁の反対にもかかわらず、多 数決で利下げを決めた。この利下げは住宅ブームを引き起こし、インフレ率は 1年7カ月後、過去最高水準に達した。

英国立経済社会研究所(NIESR)が7日発表した見通しによれば、今 年9-11月期の成長率は0.6%と、6-8月期の0.7%から低下。一方、英中 銀は6日、インフレ率が10月に2.1%に上昇してから「短期的に」目標を上回 る水準にとどまる可能性があり、依然として「上振れリスク」があるとの認識 を示している。

アーバスノット・バンキング・グループの経済アドバイザー、ルース・リ ー氏は「われわれはこのところ英国経済が非常に速いペースで成長していたこ とを忘れている」と指摘。「実際にはインフレ圧力は増しており、こういった状 況ではイングランド銀行がインフレ率を2%の目標に抑えるのは一層困難とな ろう」と述べた。

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