7-9月期GDP改定値を1.5%増に下方修正-設備投資など主因(3)

今年7-9月期の日本の実質GDP(国内総 生産)の改定値は、前期比年率1.5%増と1次速報値から下方修正された。民間 設備投資や民間住宅投資、民間在庫投資がそれぞれ下方修正され、内需の弱さ と外需主導による成長であることをあらためて示した。

内閣府が7日発表した四半期別国民所得統計(2次速報)によると、7- 9月期の実質GDPは前期比では0.4%増となった。1次速報ではそれぞれ前期 比0.6%増、年率換算2.6%増だった。GDPの6割近くを占める個人消費は前 期比0.3%増と横ばい。民間設備投資が同1.1%増と1次速報の1.7%増から下 方修正された。内需の最大の押し下げ要因である民間住宅投資は、改正建築基 準法の影響で住宅着工件数が激減した結果、前期比7.9%減となり、1次速報の

7.8%減から減少幅を拡大した。

7-9月期は住宅部門の落ち込みが成長の足かせとなったが、1%台後半 とされる潜在成長率以上を達成した。しかし、住宅着工件数や建設工事受注の 減少による影響が10-12月期も続く上、米サブプライム(信用力の低い個人向 け)住宅融資問題に伴う米景気減速懸念や原油高騰など景気の押し下げ要因も 多く、年明け以降は不透明感が強い。

第一生命経済研究所の新家義貴主任エコノミストは、財務省が先週発表し た7―9月期法人企業統計を踏まえたリポートで、GDP2次速報値について前 期比0.6%増、前期比年率2.5%増を予想。その上で「厳密に言えば下方修正だ が、ほとんど1次速報から変化はない」とし、「潜在成長率を上回ったことに変 わりはなく、景況感にも特に影響はないだろう」と述べていた。

クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは、法人企業統計発 表のあと、「GDPの2次速報値は幾分下方修正される可能性がある」と予測。 その上で、「設備投資、在庫投資がともに小幅の下方修正となる可能性が高い からである」と指摘していた。

統計発表後のドル円相場は小動きで、午前9時57分現在、1ドル=111円 42銭前後。発表直前は同111円36銭前後だった。

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト27人を対象に行った事前調査に よると、実質GDP伸び率は予想中央値で前期比0.6%増、前期比年率で2.6% 増だった。

外需寄与度

発表によれば、名目成長率は前期比0.2%増、年率換算0.7%増となった。 輸入が下方修正された結果、輸出から輸入を差し引いた純輸出(外需)のGD P成長率への寄与度がプラス0.5%増に高まった。内需の成長への寄与度はマイ ナス0.1%だった。

2次速報でマイナスの寄与度が高かったのは、民間在庫品の増加で、1次 速報段階のプラス0.1%からマイナス0.1%に下方修正されたほか、民間設備投 資は同プラス0.3%からプラス0.2%へ下がった。逆にプラスの寄与度は外需が 同0.4%から0.5%に上方修正された。

内閣府によると、内閣府経済見通しである07年度に実質2.1%を達成する には、残り2四半期の成長率は前期比1.1%増(年率4.6%増)が必要。1次速 報の段階では前期比0.9%増だったため、ハードルがやや上がったことになる。

総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期比0.4%下落で、 1次速報から下落幅を0.1ポイント拡大した。1次速報では同0.3%下落だった。 政府はGDPデフレーターを消費者物価や需給ギャップ、単位労働コストとと もに、デフレ脱却の判断材料としている。

財務省が3日発表した法人企業統計季報によると、ソフトウエア投資を含 む全産業の設備投資額は前年同期比1.2%減少した。ソフトウエアを除くと、投 資額は同0.6%の減少だった。このうち、製造業の設備投資額は前年同期比6.1% 増加した半面、非製造業の設備投資額は同5.1%減少した。

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