訂正:東京外為:円が安値圏、米雇用統計を警戒-ドルの信認回復は途上

午前の東京外国為替市場では、ドル・円相 場が1ドル=111円台前半から半ばと3週間ぶりの円安値付近でもみ合ってい る。米政府によるサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンの借り手 救済策を受け、内外の株式相場が堅調に推移する中、円売り・ドル買いに圧力 がかかりやすい一方、海外時間に米雇用統計の発表を控え、新たな持ち高を構 築することには慎重な向きが多い。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の清水昭男グループマネージャーは、「目 先はサブプライム問題に対する支援策、季節的にドル需要が大きいこと、これ までのドルのショート・ポジション(売り持ち高)を解消する動きで、ドルは 底堅く推移する」と予想。ただ、依然として米景気の先行きには不透明感があ り、ドルの全面的な信認回復にはまだ至っていないといい、一方的なドル上昇 ということにはならないとみている。

サブプライム救済策発表を好感

ブッシュ大統領は6日、住宅差し押さえの急増に歯止めを掛けるため、サ ブプライム住宅ローンを対象に金利を一定期間凍結する計画を発表した。ポー ルソン財務長官と規制当局はローン業者との交渉で、一部のローン金利を5年 間凍結することで合意。2010年7月までに変動金利(ARM)型住宅ローンの 金利リセット(改定)を迎える借り手が対象になる。

サブプライム対策の発表を受け、6日の米株相場は続伸。外国為替市場で は円売り安心感が広がり、ドル・円は一時、1ドル=111円46銭と11月15日 以来の水準までドル高・円安に振れた。もっとも、「111円台の半ばよりもドル 高水準では、国内輸出企業の売りが観測されている」(新光証券・鈴木健吾為 替ストラテジスト)といい、さらなるドル高・円安進行には歯止めが掛かって いる。

一方、ユーロ・円は、中央銀行(ECB)のトリシェ総裁のタカ派的な発 言を受けてユーロ買いが強まったこともあり、海外時間に1ユーロ=163円台ま でユーロ高・円安が進行。東京市場午前の取引では一時、163円28銭と11月 30日以来、1週間ぶりのユーロ高値を付ける場面も見られている。

ECBのインフレ警戒姿勢―ユーロ上昇

ECBは6日、フランクフルトで定例政策委員会を開き、短期金利の調節 手段である短期買いオペ(売り戻し条件付き債券買いオペ=レポ)の応札最低 金利を4%に据え置くことを決めた。結果は市場の予想通りだった。

トリシェECB総裁は委員会後の記者会見で、「短期的にインフレ率の強 い上振れ圧力」が存在すると表明。「物価安定に対する上振れリスクに立ち向 かう用意がある」と述べるとともに、一部の政策委員会メンバーは利上げを支 持したとことを明らかにした。

一方、イングランド銀行(BOE)は同日、金融政策委員会(MPC)で、 政策金利のレポ金利を0.25ポイント引き下げ、5.5%にすることを決めた。利 下げは2年ぶり。4日にはカナダ銀行(中央銀行)が予想外の利下げを実施し ている。

三菱UFJ信託銀の清水氏は、BOEが利下げに踏み切ったこともあり、 「ECBに対しても景気のダウンサイドに配慮してくるかという期待があった が、従来通りインフレに強い警戒を示したことで、引き続きECBは利上げ方 向で政策模索していると受け止められている」と解説する。

トリシェ総裁の会見後、ユーロは対ドルで1ユーロ=1.45ドル台前半から 1ユーロ=1.46ドル台半ばまで反発。東京市場午前には一時、1.4660ドルまで ユーロが買われる場面も見られている。

米雇用統計で波乱も

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、この日 発表される11月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数は前月比8万人増と、 増加幅は前月の16万6000人の約半分にとどまる見通しとなっている。

もっとも、今週発表された民間の雇用統計が予想を大幅に上回る雇用の伸 びを示したことで、市場の期待値は上がっている。このため、予想外に弱めの 数字となった場合は、米経済の先行き懸念が再燃し、週末にかけてドル売りが 強まる展開も予想される。

一方、先週以降、米国株は追加利下げ期待を追い風に上昇してきた面があ る。民間雇用統計発表後、やや後退しているとはいえ、11日のFOMCでの0.5 ポイントの大幅利下げ予想もくすぶっており、きょうの雇用統計の結果を受け、 利下げ見通しがどのように変化し、米国株がどのように反応するかがドル相場 を占う焦点になるとみられる。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物市 場の動向によると、足元ではFOMCが11日に0.5ポイントの利下げを実施す る確率は36%、0.25ポイントの利下げ確率は64%となっている。

--共同取材 吉川淳子 Editor:Masaru Aoki, Hidenori Yamanaka

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