12月6日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国株とNY外為を更新します)

○米国株:続伸。金融株や建設株が上げをけん引し、主要株価指数は 1カ月ぶりの高値を付けた。サブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローンのデフォルト(返済不履行)を抑制する政府新計画で、銀 行の利益が拡大するとともに住宅市場の低迷が緩和するとの見通しが 株価を押し上げた。

住宅金融大手のカントリーワイド・ファイナンシャルやファニーメ イ(連邦住宅抵当金庫)が高い。一部の住宅ローン借り手の借り換え支 援、変動金利(ARM)型住宅ローンの金利凍結を盛り込んだ財務省の 新計画に対する期待が高まった。住宅建設大手のレナーやD.R.ホー トンを中心に住宅建設業者に買いが集まった。S&Pの建設業株価指数 は1994年以来最大の上げとなった。

またS&P500種に採用されるエネルギー関連企業34社のうち32 社がこの日は上昇。原油相場が6週間ぶりの安値から反発したことが好 感された。

S&P500種株価指数終値は前日比22.33ポイント(1.5%)高の

1507.34となった。住宅建設や金融機関が上昇率のトップ10位を占めた。 ダウ工業株30種平均は174.93ドル(1.3%)高の13619.89ドル。ナス ダック総合指数は42.67ポイント(1.6%)上昇し2709.03で終了した。 ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は6対1となった。

クラーク・キャピタル・マネジメントのハリー・クラーク最高経営 責任者(CEO)は「サブプライム住宅ローン市場の混乱が株価の動向 を支配してきた」と指摘。「この問題の解決もしくは改善につながるよ うな材料は市場に好感される」と語った。

リーマン・ブラザーズ・ホールディングスやメリルリンチのアナリ ストが証券各社の利益見通しを引き下げたものの、融資機関の合意で最 大120万世帯の住宅差し押さえを回避できるとの楽観的見通しを背景に、 銀行株や証券株は続伸した。

ただ、米ディスカウントチェーン2位のターゲットや百貨店大手の JPペニーなど小売業者が発表した11月の売上高がアナリスト予想を下 回ったことから、株価指数の上値は限られた。

カントリーワイド、ファニーメイ

カントリーワイドとファニーメイに加え、米S&L(貯蓄・貸付組 合)最大手のワシントン・ミューチュアルも高い。銀行最大手のシティ グループも買いが優勢だった。

S&P500種の業種別で金融株からなる指数は前日比2.6%上昇した。 11月26日には2年ぶりの低水準を付けた。金融株指数は年初来では 15%下落。

全米抵当貸付銀行協会(MBA)が6日発表した統計によると、7 ―9月期(第3四半期)の住宅ローン返済遅延率(対象4540万件、延滞 期間30-89日、季節調整済み)は全体の5.59%に上昇。1986年以来で 最高となった。

3つの選択肢

住宅ローン支援策は、①金利の凍結、②新規の住宅ローンへの借り 換え③連邦住宅管理公団(FHA)が保証する住宅ローンの獲得-で構 成される。

住宅金融で米2位の銀行、ウェルズ・ファーゴは一部のサブプライ ム住宅ローンに対する金利凍結を今後数週間以内に提供し始めると明ら かにした。ウェルズ・ファーゴは堅調に引けた。

金融保証会社のMBIAも高い。増資を検討していると明らかにし たことが好感された。同社に対しては格付け会社ムーディーズ・インベ スターズ・サービスが「AAA」格付けを見直している。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引される原油先物1月 限は前日比2.74ドル(3.1%)高の1バレル=90.23ドルで終了。原油 の反発が強材料となり、エネルギー生産業者に買いが膨らんだ。エクソ ンモービルやシェブロンがそろって上昇した。

○米国債:相場は3日続落。10年債利回りは今週に入って初めて4%台に上昇し た。米政府がサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンの救済策を発表 したため、安全資産とみなされる国債に売りが膨らんだ。

ブッシュ政権が午後、一部のサブプライム住宅ローンを対象に金利を一定 期間凍結する計画を発表。国債相場は下げ足が速まった。米連邦公開市場委員 会(FOMC)が11日の定例会合で実施するとみられる利下げの幅をめぐり、 市場の見方は分かれている。7日には労働省が11月の雇用統計を発表する。

モルガン・キーガン(テネシー州メンフィス)の債券担当マネジングディ レクター、ケビン・ギディス氏は「政府の救済策は危機が沈静化することを示 唆している。国債相場は上昇ピッチが速すぎ、上昇幅も大き過ぎたため、持ち 高の調整が起こっている」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後3時 24分現在、10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポ イント)上昇して4.02%で推移している。10年債(表面利率4.25%、2017 年11月償還)の価格は17/32下落して101 7/8。

ブルームバーグがエコノミスト82人を対象に実施した調査によると、雇 用者数の予想中央値は8万人増と、10月の16万6000人増から伸びが鈍ると みられている。

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング (ADP)エンプロイヤー・サービシズが5日発表した給与名簿に基づく集計 調査によると、11月の米民間部門の雇用者数は市場予想の3倍を超える伸びを 示した。

マニング・アンド・ナピアー・アドバイザーズで約40億ドルの債券資産 の運用に携わるジャック・バウアー氏は「景気の現状がもっと鮮明になるまで、 利回りが一段と低下するのは困難だ」と述べた。

金融政策見通し

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物市 場の動向によると、FOMCが11日に0.5ポイントの利下げを実施する確率 は44%と、1週間前の30%を上回っている。0.25ポイントの利下げ確率は 56%。

2年債利回りはFF金利の誘導目標を1.47ポイント下回っている。格差 は3日には1.65ポイントと、1989年以来で最大となっていた。

ブッシュ大統領は一部ローンの金利を凍結する計画を発表。住宅市場は全 米で「不安の源」になっていると指摘した。ポールソン財務長官が根回しした サブプライム救済計画は住宅差し押さえの急増による景気の腰折れを回避する ことが狙い。

2年債利回りは11bp上昇の3.04%。10年債利回りを98ポイント下回 っている。前日の格差は102bp。利回り曲線の平たん化は短期債の需要が弱ま っていることを示している。

LIBOR低下

英国銀行協会(BBA)によると、1カ月物ドル建てロンドン銀行間貸出 金利(LIBOR)は1bp低下の5.24%と、2日連続で低下。銀行間の貸し 渋りがやや緩和していることがうかがえる。4日には年末を前に資金需要が強 まり、5.25%と2カ月半ぶりの水準に上昇した。

シティグループ・グローバル・ウェルス・マネジメントの債券ディレクタ ー、ドン・アレクサンダー氏は「不透明感はまだ晴れていない。年末を控えて 資金繰りには不安がまだ強い」と指摘した。

米連邦準備制度理事会(FRB)によると、償還期限が270日以下の資産 担保コマーシャルペーパー(ABCP)の発行残高は5日に終わった1週間に 前週比230億ドル減少の8012億ドル。17週連続で減少した。

3カ月財務省短期証券(TB)利回りは前日比ほぼ変わらずの3.04%。 一時は2.93%まで低下する場面もあった。この日、財務省は10日に210億 ドルの3カ月物TBと200億ドルの6カ月物TBを発行すると発表した。発行 額は3日の入札と同じ。

○NY外為ユーロが対円、対ドルで上昇した。トリシェ欧州中央銀行(ECB) 総裁の発言を受けて市場ではユーロ圏の利下げ観測が後退した。

ユーロは対ドルで約3週間ぶり安値から値を戻したほか、英ポンドに対し ては3日連続で上昇した。ECBは定例政策委員会を開き、政策金利を4%で 据え置くと決定した。トリシェ総裁は会見で、「短期的にインフレ率の強い上 振れ圧力」が存在すると指摘した。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのシニア通貨ストラテジスト、マイ ケル・ウールフォーク氏は、「トリシェ総裁がインフレを強調したのはやや意 外だったため、ユーロに買いが入った。これまでは利下げの可能性もあるので はとみていたが、今やその可能性は閉ざされた」と語った。

ニューヨーク時間午後4時現在、ユーロは円に対して162円80銭と、前日 の162円04銭から上昇した。対ドルでのユーロは1.4626ドルと前日の1.4610 ドルから値上がりした。一時は1ユーロ=1.4526ドルまで下げる場面もあった。 円は対ドルで111円32銭と、前日の110円89銭から値下がりした。

ウールフォーク氏はユーロが年内に1ドル=1.4750ドルまで上昇し、来年 6月末までに同1.54ドルでピークをつけるとみている。

AIGファイナンシャル・プロダクツ(コネティカット州ウィルトン)で外 為取引の世界責任者を務めるジェフ・グラドスタイン氏は、7日に発表される11 月の米雇用統計を前に投資家が対ドルで「大規模な取引」に出なかったため、ド ル安はある程度抑えられたと話す。

南アフリカ・ランド、ポンド

南アフリカ・ランドは主要16通貨のうち14通貨に対して上昇した。同国中 央銀行が政策金利を11%と、これまでの10.5%から引き上げたことから、ラン ド建て資産の魅力が高まった。1ドル=6.7137ランドと、前日の同6.7787ラ ンドから上昇した。

英ポンドはユーロに対して72.16ペンスと前日の72.11ペンスから下落し た。イングランド銀行(BOE)は、信用コストの上昇と住宅価格の下落が景気 を減速させたとして、政策金利を5.75%から5.5%に引き下げた。

円とスイス・フランは投資家がキャリー取引を再開したために下落した。米 国政府が発表したサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンのデフォル ト(債務不履行)抑制対策が銀行の利益拡大につながるとの見方が背景。

米サブプライム対策

ブッシュ米大統領は6日、一部サブプライム住宅ローンを対象に金利を一定 期間凍結する計画を発表した。大統領は住宅市場の落ち込みは全米中で「懸念要 因」になっていると述べた。

トリシェ総裁は記者会見で、「物価安定に対する上振れリスクに立ち向かう 用意がある」と述べるとともに、政策委員会では早ければこの日にも利上げを希 望したメンバーが何人かいたと明らかにした。

金利先物市場動向によると、11日のFOMC会合でフェデラルファンド(F F)金利誘導目標が0.5ポイント引き下げられる確率は36%と4日の48%から 低下。0.25ポイント引き下げられる確率は64%と、2日前の52%から上昇し た。

○英国債:10年債相場は下落し、同利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01ポイント)上昇し4.54%となった。同国債(2016年9月償還、表 面利率4%)価格は0.33ポイント低下し96.16。

ポンド相場はロンドン時間午後5時2分までに、1ポンド=2.0266ドルと なっている。一時は9月27日以来の安値となる2.0182ドルまで下落した。前 日は2.0266ドル。

○欧州債:相場は下落。欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁がインフレ抑制 のために一部の政策委員会メンバーが利上げを支持したと明らかにし、これに反 応した売りが膨らんだ。

同総裁は記者会見で、ECBは「物価安定に対する上振れリスクに立ち向か う用意がある」と述べた。10月のインフレ率がここ6年で最も高い伸びを示し たことを受け、ECBは定例政策委員会で政策金利を6年ぶりの高水準である 4%に据え置いた。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・スタメンコ ビック 氏は、「トリシェ総裁のインフレに関するタカ派的なコメントに市場はろ うばいした」と指摘。「一部メンバーが利上げを支持したという事実は、利下げ が当面ないことを示唆する。来年の利下げ観測が後退した」と述べた。

ドイツ10年国債利回りはロンドン時間午後3時46分現在までに、前日比5 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上げて4.08%。一時は6bp上 昇と、先月30日以降で最大の上げとなった。同国債(表面利率4.25%、2017 年7月償還)の価格は0.37ポイント低下の101.29。2年国債の利回りは同2 bp上げて3.81%だった。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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