NY外為:ユーロ上昇-ECB総裁のインフレ発言で利下げ観測後退(2)

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対円、 対ドルで上昇した。トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁の発言を受けて市場 ではユーロ圏の利下げ観測が後退した。

ユーロは対ドルで約3週間ぶり安値から値を戻したほか、英ポンドに対して は3日連続で上昇した。ECBは定例政策委員会を開き、政策金利を4%で据 え置くと決定した。トリシェ総裁は会見で、「短期的にインフレ率の強い上振 れ圧力」が存在すると指摘した。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのシニア通貨ストラテジスト、マイケ ル・ウールフォーク氏は、「トリシェ総裁がインフレを強調したのはやや意外 だったため、ユーロに買いが入った。これまでは利下げの可能性もあるのでは とみていたが、今やその可能性は閉ざされた」と語った。

ニューヨーク時間午後4時現在、ユーロは円に対して162円80銭と、前日の 162円04銭から上昇した。対ドルでのユーロは1.4626ドルと前日の1.4610ド ルから値上がりした。一時は1ユーロ=1.4526ドルまで下げる場面もあった。 円は対ドルで111円32銭と、前日の110円89銭から値下がりした。

ウールフォーク氏はユーロが年内に1ドル=1.4750ドルまで上昇し、来年6 月末までに同1.54ドルでピークをつけるとみている。

AIGファイナンシャル・プロダクツ(コネティカット州ウィルトン)で外 為取引の世界責任者を務めるジェフ・グラドスタイン氏は、7日に発表される 11月の米雇用統計を前に投資家が対ドルで「大規模な取引」に出なかったため、 ドル安はある程度抑えられたと話す。

南アフリカ・ランド、ポンド

南アフリカ・ランドは主要16通貨のうち14通貨に対して上昇した。同国中 央銀行が政策金利を11%と、これまでの10.5%から引き上げたことから、ラン ド建て資産の魅力が高まった。1ドル=6.7137ランドと、前日の同6.7787ラン ドから上昇した。

英ポンドはユーロに対して72.16ペンスと前日の72.11ペンスから下落した。 イングランド銀行(BOE)は、信用コストの上昇と住宅価格の下落が景気を 減速させたとして、政策金利を5.75%から5.5%に引き下げた。

円とスイス・フランは投資家がキャリー取引を再開したために下落した。米 国政府が発表したサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンのデフォ ルト(債務不履行)抑制対策が銀行の利益拡大につながるとの見方が背景。

米サブプライム対策

ブッシュ米大統領は6日、一部サブプライム住宅ローンを対象に金利を一定 期間凍結する計画を発表した。大統領は住宅市場の落ち込みは全米中で「懸念 要因」になっていると述べた。

トリシェ総裁は記者会見で、「物価安定に対する上振れリスクに立ち向かう 用意がある」と述べるとともに、政策委員会では早ければこの日にも利上げを 希望したメンバーが何人かいたと明らかにした。

金利先物市場動向によると、11日のFOMC会合でフェデラルファンド(F F)金利誘導目標が0.5ポイント引き下げられる確率は36%と4日の48%から 低下。0.25ポイント引き下げられる確率は64%と、2日前の52%から上昇し た。

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