日本株は輸出中心に上昇へ、米雇用堅調の見方-資源なども買い(2)

東京株式相場は上昇する見通し。米国の雇 用状況が堅調に推移しているとの見方から景気に対する過度の不安が後退し、 トヨタ自動車やソニーなど輸出関連株、商社など景気変動に敏感な資源関連株 が高くなりそうだ。米住宅ローン対策の発表を控えた銀行株をはじめ、国内で の賃金・雇用の改善期待から小売など内需関連株も買われる可能性がある。

野村証券金融経済研究所の若生寿一シニアストラテジストは、「日経平均 株価が5日終値で25日移動平均線を上回ったことで、投資家の心理が明るく なっている」と指摘。米国株高や円安など外部環境の改善により、「特に資源 関連に買い意欲が戻ってきそうだ」と予想している。

5日終値段階の25日移動平均線は1万5594円で、日経平均の終値は1万 5608円。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物12月物の5日清算値は1万 5860円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万5650円)に比べて210円高 だった。

ハイテク株がけん引も

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング (ADP)エンプロイヤー・サービシズが5日発表した調査によると、11月の 米民間部門の雇用者数は18万9000人増と10月の11万9000人増から伸びが 加速した。また、米労働省が5日に発表した第3四半期の非農業部門の労働生 産性指数は、前期比年率6.3%上昇と、速報値の4.9%上昇から上方修正され、 2003年以来の大幅な伸びとなった。

景気指標の堅調とインフレ懸念の後退につながる経済指標が相次いだこと で、きょうの東京市場でも米景気がリセッションに陥るとの警戒感が後退する と予想される。外国為替市場で、米大幅利下げ観測の後退からドル買い・円売 りが進んでいることも支えとなりそうだ。

輸出関連株の中でも、特に半導体などのハイテク株は上げ幅が大きくなる 可能性がある。トーマス・ウィーゼル・パートナーズのアナリストは、2008年 のパソコン需要の拡大見通しから、半導体最大手インテルの株式投資判断を 「マーケットウエート」から「オーバーウエート」に引き上げた。インテルは 前日比3.5%高となったほか、フィラデルフィア半導体株指数は前日比2.5% 高と急伸した。

米主要株価3指数の終値は、S&P500種株価指数が前日比22.22ポイン ト(1.5%)高の1485.01、ダウ工業株30種平均は196.23ドル(1.5%)高の

13444.96ドル、ナスダック総合指数は46.53ポイント(1.8%)高の2666.36。

米国景気減速が新興国需要を押し下げるとの警戒も足元では根強かっただ けに、商社や鉄鋼、非鉄金属、海運など資源関連株も見直し買いが予想される。

内需も堅調見込み

一方、ワシントン時間6日の午後1時45分にはポールソン米財務長官と ジャクソン住宅都市開発長官による記者会見が予定されている。サブプライム ローン(信用力の低い人向けの住宅融資)の借り手救済策では、融資金利を据 え置く期間を5年とすることが有力だ。同対策によるグローバルな金融株の安 定期待を背景として、銀行株も下値での買いが入るとみられる。

6日付の日本経済新聞朝刊は、鉄鋼や造船重機での労組で構成する基幹労 連は2008年の春季労使交渉において2年分で1人当たり3000円の賃上げを要 求する執行部案をまとめたと報道。さらに三井住友銀行が約2000人の派遣社 員を来年夏に正社員として採用する方針を決めた、とも伝えた。賃金や雇用の 改善が内需を下支えするとの期待から、小売や不動産といった内需関連株も見 直しが進むと予想される。

不二越やトップカルなど上昇見込み

個別では、07年11月期連結営業利益が168億円程度と会社計画165億円 を上回ったもようだと6日付の日本経済新聞朝刊が伝えた不二越、08年10月 期連結経常利益が前期比16%増と過去最高が予想されるトップカルチャー、第 3四半期累計(2-10月期)の連結純利益が前年同期比24%増と伸びた東京 楽天地などが高くなる見込み。08年10月1日付で持ち株会社制に移行するこ とを取締役会で決議した日清食品も、グループ全体の企業価値最大化期待から 高くなりそう。

電気化やエプソンは軟調予想

半面、欧州連合の競争法規制当局である欧州委員会は5日、ダイビング機 材や靴底などに使用される合成ゴムをめぐり価格カルテルを結んだとして、電 気化学工業や東ソー、伊石油大手ENIなど5社に対し計2億4300万ユーロ (約394億円)の制裁金を科した。制裁金は電気化学工業が4700万ユーロ、 東ソーは480万ユーロ。東ソーの広報担当の池田悦哉氏は、同社がEUの決定 をよく検討してから適切な措置を講じると述べている。電気化学工業や東ソー は買いが手控えられる公算。

このほか、製品競争力の低下からリアプロジェクションテレビの生産・販 売を中止したと、6日付の日本経済新聞朝刊に報じられたセイコーエプソンも 軟調に推移しそう。08年4月期の連結業績予想を下方修正したナ・デックス、 第1四半期(8-10月)の連結純利益が前年同期比56%減と落ち込んだ山王 なども弱い値動きが見込まれる。

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