米国債:続落、民間雇用者数が予想上回る-午後下げ渋る場面も

米国債相場は続落。11月の米民間部門の 雇用者数が市場予想の3倍を超える伸びを示したため、米経済が住宅不況を乗 り切るとの見方から売りが優勢になった。

米連邦公開市場委員会(FOMC)が11日に追加利下げを実施するとの 見方から10年債利回りの2年債への上乗せ幅は過去3年弱で最大。サブプラ イム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題が一段と深刻化するとの懸念を 背景に、4日に同利回りは3年ぶりの低水準を付けた。

トムソン・シーゲル・アンド・ワルムズリーの債券部門ディレクター、ウ ィリアム・ベラミー氏は「個人消費を支える最後の砦となっている雇用に市場 の注目が集まっている。この日の指標は雇用悪化観測を大きく後退させるもの だ。米国債相場が0.5ポイントの利下げを織り込んでいるのは明らかで、そう ならなかった場合、売りを誘うだろう」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時 25分現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポ イント)上昇して3.94%で推移している。10年債(表面利率4.25%、2017 年11月償還)の価格は10/32下落して102 18/32。

シカゴ商品取引所(CBOT)のFF金利先物市場の動向によると、 FOMCが11日に0.5ポイントの利下げを実施する確率は40%と、前日の 50%から低下した。0.25ポイントの利下げ確率は60%。

2年債

2年債利回りは2bp上昇の2.91%。前日に一時、2.79%と2004年11 月以来の低水準を付ける場面があった。2年債利回りは10年債を103bp下回 っており、格差は2005年1月以来で最大。

米国の連邦監督当局と銀行業界が、サブプライムローン(信用力の低い人 向けの住宅融資) の借り手救済策で、融資金利を据え置く期間を5年とする ことで調整を進めていることが、事情に詳しい複数の関係者の話で分かった。

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは午後、金融保証 最大手の米MBIAが資本不足に陥る「可能性が高い」と指摘。「AAA」の 格付けを引き下げることを示唆し、MBIAが保証する6520億ドルの州政府 や地方自治体の債券や社債のリスクが高まっているとの認識を示した。これを 受けて、米国債相場は下げ渋る場面があった。

RBCキャピタル・マーケッツの米国債トレーディング責任者、トーマ ス・トゥッチ氏は(ニューヨーク在勤)は「米国債相場が下落するたびに悪い ニュースが伝わり、市場は用心深くなる」と述べた。

米国債オプション価格に基づいて算出するメリルリンチのMOVE指数は 4日に142と2003年以来の水準に上昇した。

雇用指標

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング (ADP)エンプロイヤー・サービシズが5日発表した給与名簿に基づく集計 調査によると、11月の米民間部門の雇用者数は18万9000人増と、10月の 11万9000人増(速報値10万6000人増)から伸びが加速。ブルームバーグ がまとめたエコノミスト予想の5万人増も上回った。ADP調査は民間企業の みを対象としたもので、政府機関による雇用は含まれない。

ブルームバーグニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値によれ ば、12月7日に労働省が発表する11月の非農業部門雇用者数は7万5000人 増と10月の16万6000人増から伸びが減速するとみられている。失業率は

4.8%と、10月の4.7%からの上昇が見込まれている。

フィーマットのデリバティブ(金融派生商品)担当のマネージングディレ クター、アーサー・バス氏は「国債相場にとって下振れリスクは、小幅利下げ 予想につながる強い雇用指標だ」と述べた。

2年債利回りが2004年以来の最低水準にあり、買い意欲が減退している。 信用市場での損失拡大から2年債利回りは11月に95bp低下し、月間ベース で20年ぶりの大幅な低下となった。

資産運用会社セージ・アドバイザリー・サービシズのパートナー、マー ク・マックィーン氏は「米国債相場は行き過ぎている。不安材料ばかりを織り 込んでいる」と語った。

中国財政省は4日、中国農業銀行向けに15年物の特別国債7500億元 (約11兆1280億円)相当を発行する計画を明らかにした。政府系ファンド (SWF=ソブリン・ウェルス・ファンド)向けの資金調達が狙いと説明した。 海外からの米国債需要が減退するとの思惑につながり、米国債には売り圧力と なった。

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