谷垣氏:消費税は年金財源の「最有力候補」-09年度からの増税検討を

自民党の谷垣禎一政調会長はブルームバー グ・ニュースの単独インタビューで、基礎年金の国庫負担割合を2009年度に現 行の3分の1から2分の1に引き上げるため、税制上の措置を講じて安定的な財 源を確保する必要があるとの認識を明らかにした。具体的な税目としては「消費 税は最有力の候補」と明言。09年度からの消費税増税を検討すべきだとの考え を強調した。インタビューは11月30日に行った。

また、同党の財政改革研究会(財革研、会長・与謝野馨前官房長官)が11 月に発表した「中間とりまとめ」で消費税を社会保障税(仮称)として目的税化 する考えを打ち出したことについては、「増大する社会保障の財源をどこに求め るのか。消費税に求めざるを得ないという議論は非常に有力な議論としてある。 私はそういう議論は賛成だ」と述べ、支持する考えも明らかにした。

ただ、与党の税制改正論議での実際の取り扱いに関しては、「基礎年金の問 題としては次の年の課題だ」と述べ、現在大詰めを迎えている08年度改正では なく、1年後の09年度改正でのテーマとなるとの見通しも示した。

谷垣氏は62歳。小泉内閣で財務相などを務めた。06年9月の総裁選では、 安倍晋三前首相に敗れたものの、消費税を社会保障財源と明確に位置付け、2010 年代半ばまでに税率を少なくとも10%に引き上げる政策を掲げた。自民党財革 研の「中間とりまとめ」も、消費税の社会保障目的税化や10%程度にまで引き 上げることなど谷垣氏の主張に近い見解を発表している。主なやり取りは以下の 通り。

2009年度からの国庫負担割合引き上げ:

「2009年度に基礎年金の税を入れる割合を3分の1から2分の1に引き上 げるのは、3年前の法律(年金制度改正法)に条文として書き込まれている。あ れは1年間どこからか財源を引っ張って入れればいいということではなくて、毎 年、毎年、安定的な財源がなければいけない、恒久的財源をつくれということだ。 何らかの税制改正をしていかなければいけない」

「法律の条文には恒久的財源と書いてあるだけだが、結局、年金の財源とい うと景気変動によってあまり上下があっても困る。一部の人だけに負担が偏って も困る。できるだけ幅広い方に負担をしていただいて景気変動の波に強いものに していかなければいけない。こういうことを考えると消費税は最有力の候補であ ることは間違いない」

今年の与党税制改正論議での社会保障財源の扱い:

「基礎年金の問題としては次の年の課題だ。今年は社会保障に特化してこの 税を取れ、という議論はあまりないと思う。むしろ今までの税制の中で、いろい ろな廃止すべきもの、新たに設けるべきものがあるかもしれないが、社会保障に 特化した議論はあまりないと思う」

財革研が消費税を社会保障税として目的税化する提言をまとめたが:

「増大する社会保障の財源をどこに求めるのか。これは税制議論、財政議論 の根本にある。何らかのしっかりした体制をとらないといけない。それは消費税 に求めざるを得ない、という議論は非常に有力な議論としてある。私はそういう 議論は賛成だ」

「そこに財源を充てることをはっきりさせる意味で、名前を消費税から社会 保障税にするとか、そういうことをはっきりさせてやっていくのは一つの選択肢 だと思う。中長期的な考え方としては、ある程度消費税の率も上げていかざるを 得ないということは否定できないと思う。今年何をやるか、来年すぐに何をやる かという議論とは別として、今後10年、あるいは10数年をにらんだ場合にどう いう方向性かという議論としては的確な議論だと思う」

自民党の原油高対策について:

「これだけ原油が高くなると、いろんなところで悲鳴が起きてくる。離島航 路とか過疎バスとか、こういうところはある程度補助金を出しているが、原油高 で燃料代が高くなっていてやっていけない。漁船が操業するのはなかなか難しく なったという声が耳に入ってくるようになっている」

「緊急なものには(2007年度で)補正予算を使ってやるということを考え ないといけない。漁船はエネルギー価格が高くなってなかなか動けなくなってい る。かつて原油高になった時に基金を作って対策を立てていたが、その基金も枯 渇してきている。もう一回、何かそういう基金を作る必要があるのではないかと か、中小企業で苦境に立っているところを金融面でどう手当てするかだ」

衆院選に向けてどういった政策を打ち出していくべきか:

「参院選で敗北した原因はいろんなことがあった。改革してくるとプラスだ けではなくてマイナスもある。ある程度競争を奨励するような政策を取ってきた 中で、かなり弱いところが痛んだ部分もある。したがってその手当てをある程度 する必要があることは事実だ」

「たとえば地方では財政的にも悲鳴を上げているところがある。どういう手 当てをできるかというようなこともその一環だ。社会保障も相当効率化を進めて きたが、少し歩みが速かったかなというところもある。そういうところの手当て はどうするか、ということがまず必要だ」

「引き続き成長をしていくにはどうしたらいいかという政策も非常に大事だ。 技術革新、科学技術をどうするか、東京の金融マーケットセンターとしての機能 をどう高めるかということもある。アジア・ゲートウェイもある。そういう全体 の成長をどうしていくかという議論も合わせて打ち出す必要もあるのではない か」

--共同取材:松井玲 Editor:Tetsuzo Ushiroyama、Hitoshi Ozawa

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