谷垣氏:次期日銀総裁、金融政策の経験も「大事な要素」-単独会見

自民党の谷垣禎一政調会長はブルームバー グ・ニュースの単独インタビューに応じ、2008年3月に任期を迎える日本銀行 の福井俊彦総裁の後任を決めるに当たっては、審議委員経験者など金融政策に携 わったことがあるかどうかも大事な判断要素となるとの見解を明らかにした。次 期総裁候補の具体的な名前までは言及しなかった。インタビューは11月30日に 行った。

谷垣氏は次の日銀総裁に求められる資質について「日本の経済実態、金融情 勢にも通じているが、視野がグローバルに広がっている方でないといけない」と 指摘。その上で、「的確な判断をして、国民、マーケットに的確に伝えていくこ とが必要」と述べ、金融政策の方向性を国民や市場に伝達していくための対話力 を備えている人物が望ましいとの見解を明らかにした。

金融政策の経験については、「その分野で仕事をしたという経験が唯一の判 断要素ではないかもしれないが、大事な要素になる」と述べ、重要な判断材料と なるとの認識も強調。その理由としては「ある程度の経験を持った人はマーケッ トを安心させるという意味でも必要かもしれない」と語った。

谷垣氏は「具体的に誰という議論はしにくい」と次期総裁候補の名前は挙げ なかったものの、市場では武藤敏郎副総裁を推す声が多い。アールビーエス証券 の山崎衛チーフエコノミストは、「与党サイドは武藤敏郎副総裁を推すだろう。 最終的に他の人になる可能性もあるが、現時点では武藤副総裁に対抗できるほど の有力な候補は見当たらないのではないか」と述べた。

日銀総裁、空席あってはならない

日銀総裁人事の決定には衆参両院の承認が必要。参院では民主党など野党が 過半数を占めており、同意が得られなければ福井氏の後任が決まらないまま、総 裁のイスが「空席」となる可能性もある。

ドイツ証券の安達誠司シニアエコノミストは「総裁人事が任期切れに間に合 わず、空白になるリスクは結構高い。国会の案件の中で、プライオリティ(優先 順位)がそう高く扱われていないように見える。早期解散にでもなれば決まらな いまま総選挙という可能性もでてくる」とみている。その上で、「空白期間があ ると、利上げはやりにくいだろう。政策の空白期間、日銀が動けない期間が生じ る可能性がある」とも指摘している。

財務相を長く経験した谷垣氏は、「今のような金融情勢に動きがあって少し 不安な心理があるときに、金融政策の責任者が万が一、欠けるようなことがあっ てはいけない」と強調。「金融政策の舵取りをするのがどなたになるかは、国際 的にも大きな関心事だ。そのためのプロセスはうまく作らないといけない」と述 べ、民主党と調整するための手順を確立させるべきだとの考えも示した。

円高が全部悪いということはない

現在の日銀の金融政策に関しては「国内の実体経済だけではなくて、国際的 な流れもよく見て的確な判断をしていただくということに尽きる。その時の金融 政策に国民、マーケットが安心するような発信をしていただくということも大事 だ」と述べ、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題など国際 的な経済情勢も念頭に置いて運営するよう求めた。ただ、現在の金利の水準に関 しては「利上げ、利下げは簡単に政治の場にいる者がコメントしない方がいい」 と述べた。

円高については「プラザ合意の時に1ドル240円ぐらいだったのが今は倍に なっている。原油価格は100ドル近い状況になっているがオイルショックの時に 比べれば比較的冷静に受け止められている。円高が全部悪いことだということは もちろんない」と分析する。

ただ、「急激な変動はいろいろな影響を与えるし、為替も思惑的な投機によ って変動することもある。安定した推移というものがなければいけない」とも述 べ、急激な円高には警戒感も示した。

--共同取材:松井玲 Editor:Tetsuzo Ushiroyama、Kenzo Taniai

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