米国債:小反落‐2年債利回り一時2.79%に低下、買い意欲が減退

米国債相場は小反落。2年債利回りが 2004年以来の最低水準に低下したため、買い意欲が弱まり、小幅安に転じた。

サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連の損失により、米 国債に安全資産としての買いが集まり、2年債利回りは11月1日以来、88ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下している。同利回りはフェ デラルファンド(FF)金利の誘導目標(4.5%)を下回り、その差は1981 年以降で最大となっており、複数回の追加利下げが実施されるとの市場の思惑 を反映している。

ハートフォード・インベストメント・マネジメントで運用に携わるナス リ・トゥトゥンギ氏は「2年債は米連邦公開市場委員会(FOMC)が積極的 に利下げを実施するとの見方を反映している」と指摘。そのため「金利が一段 と低下することを予想した持ち高を積極的に取るよう勧めるのは非常に困難 だ」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時 26分現在、金融政策に敏感な2年債利回りは前日比1bp上昇して2.86%で 推移している。ただ、一時は2.79%と2004年11月以来の低水準を付ける場 面もあった。2年債(表面利率3.125%、2009年11月償還)の価格は1/32 近く下落して100 1/2。

相場の方向転換を示すといわれるテクニカル指標は米国債の下落を示唆し ている。2年債先物の相対力指数(RSI、期間14日)は11月26日に81 まで上昇した。70を超えると、価格下落を示唆するとみられている。

米国債オプション価格に基づいて算出するメリルリンチのMOVE指数は 3日に136と4年余りぶりの水準に上昇した。

10年債利回り

10年債利回りは3bp上昇の3.88%。2年債利回りへの上乗せ幅は 101bpに拡大した。利回り曲線の鋭角化は利下げ観測から短期債を中心に買い が入っていることを示している。

メリルリンチの債券テクニカルストラテジスト、ウォルター・バーク氏は 「バリュエーションの観点からはかなり先の金融政策を織り込んだ格好になっ ている」と指摘。質への逃避については「妥当な限界をすでに完全に超えてい る」と述べた。

ブルームバーグが実施したエコノミスト調査によれば、年末時点の2年債 利回りは3.24%、10年債は4.11%と予想されている。

11日のFOMC予想

シカゴ商品取引所(CBOT)のFF金利先物市場の動向によると、 FOMCが11日に0.5ポイントの利下げを実施する確率は50%に上昇した。

0.25ポイントの利下げ確率は50%。08年1月と3月の会合での利下げ確率も それぞれ上昇した。

UBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ウィリアム・オドネル 氏(ニューヨーク在勤)は「米国債利回りはFOMCの政策に関するどのよう な見通しをも超えた低水準にある」との考えを示した。

朝方の米国債市場では買いが先行した。3カ月物ドル建てロンドン銀行間 貸出金利(LIBOR)が5.15%まで上昇。11月14日以来の上昇基調をさ らに伸ばしたことが買い材料となった。

3カ月物財務省短期証券(TB)利回りとLIBORの差である「TED スプレッド」は211bpに低下。同スプレッドは11月29日に216bpと3カ 月で最大となり、銀行の貸し渋りを示した。

3カ月物TB利回りは5bp上昇の3.04%。11月29日には2.89%と、 8月20日以来の低水準となった。

公定歩合

米連邦準備制度理事会(FRB)が11日に現行5%の公定歩合をFF金 利誘導目標を上回る幅で引き下げるとの観測も朝方の買いを誘った。

FRBは8月17日に緊急会合で公定歩合のみを引き下げ、FF金利との 差を縮小させた。それまではFF金利と公定歩合の差は1ポイントだった。

ミラー・タバクの債券市場チーフストラテジスト、トニー・クレセンツィ 氏はFRBが公定歩合のFF金利に対する上乗せ幅を25bpあるいはそれ以下 に狭める可能性があると指摘。「象徴的な行動だが、市場には重要な時もある。 周知の事実ではあるが、米金融当局は流動性不足が発生したときに最後の貸し 手になるということを強調したがるときがある」と述べた。

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