ヤフー:米イーベイとオークション分野で提携-日米の新市場誕生(6)

ポータル(玄関)サイト国内最大手のヤフー はネットオークション世界最大手の米イーベイとオークション分野で業務提携す る。オークションサービスへ相互乗り入れし、両社の利用者が互いに応札できる ようになる。日米のネットオークション企業同士の提携はこれが初めて。

これまでは、イーベイのオークションに日本から参加するためには、英語で の手続きが必要だった。提携によって、日本からは日本語で参加が可能となり、 障害だった言葉の壁が解消されて利便性が高まる。ヤフーは世界最大手と組むこ とで、国際的な新オークション市場を誕生させ業績拡大につなげる方針。

ヤフーの井上雅博社長は都内で記者会見し、「次の10年に向けた取り組みの ひとつであるオープン化の一環」と述べたうえで、「顧客サービスの向上を今後 も目指す」と強調した。具体的な収益の見通しについては回答を控えた。また、 イーベイとの資本関係での協力の可能性について「必要があれば行うが現時点で は特に考えてはいない」と答えた。

代行サイト立ち上げ

ヤフーは第一段階として、年末商戦の時期に合わせて4日午前から日本国内 で購買代行サイトを開いた。同サイト通じ、イーベイに出品されている商品につ いて日本語で入札参加ができる。ヤフーとイーベイが新たに立ち上げる購買代行 サイト名は「セカイモン」。東証マザーズに上場するネット事業を手掛けるネッ トプライスドットコムに運営を委託した。

また、2008年3月末までにはヤフーのオークションサイト上でイーベイのオ ークションに出品された商品の閲覧、入札、落札ができるようにする計画。さら に08年中にイーベイ内にも購買代行サイトを設ける。そこにヤフーのオークショ ン出品物が表示され、イーベイの利用者が応札できるようにする予定で、国境を またいだ相互の商品流通を実現させる。

ネットプライスの子会社であるショップエアラインが、日米双方の拠点を使 い、日米双方の落札後の料金徴収業務や物流発注などを担当する予定。ドル円の 為替レートは落札時点の為替水準となる見通し。手数料は「落札価格の15%程 度」(ネットプライス佐藤輝英社長)となり、そこに配送料などが加わる仕組み。

経済産業省のネットオークションを含む2006年度電子商取引(EC)に関す る市場調査によると、日本の消費者向けのECは前年度比27%増の4兆3910億 円、米国の市場規模は同21%増の19兆2700億円と両国ともに大きな伸びを見せ ている。イーベイはネットオークション事業を中心に決済手段やネット電話サー ビスなどの事業を世界規模で展開している。

イーベイの07年7-9月期のネットオークション事業を含むマーケットプレ イス部門の売上高は13億2000万米ドル(約1450億円)、ヤフーの同四半期のオ ークション事業を含むパーソナルサービス部門の売上高は174億円だった。

評価は分かれる

JPモルガン証券の佐藤博子アナリストは、正式発表前にブルームバーグ・ ニュースの取材に対し「オークションの相互乗り入れはヤフー、イーベイ双方に とってポジティブな内容だと評価する。また日米のサービスを利用するエンドユ ーザーにとってもネットを使いほぼ世界中の商品をタイムラグなく購入する機会 を得るという意味では非常に魅力的なサービスが誕生することになる」との見方 を示した。

一方、三菱UFJ証券の荒木正人シニアアナリストは、提携について「ヤフ ーの収益に対して、あまり大きなインパクトはないのではないか」との見方を示 し、ヤフーの狙いを「新たな買い手を探したいのだろう」と指摘する。そのうえ で「日本にしかないものは意外に少ない可能性もあり、さらに送料や手数料も合 わせ支払うとなると、米国からの利用は限られるかもしれない」と語った。

会見に同席したイーベイ・インターナショナルのローリー・ノリントン社長 は、「日本では言語や配送、信頼性などの面で障壁が多すぎる」として日本での 事業の難しさを指摘した。同社は日本でネットサービス実施に踏み切ったが02年 3月に撤退した経緯がある。世界戦略について「ローカルで一番強いところと組 むことだ」と述べ、それをヤフーと組んだ理由に挙げた。またヤフーとの提携に ついては「オークション分野のみではなく他の事業分野でも協力しながら事業を 進めたい」と語った。

ヤフーはイーベイとの提携でサービスの充実と収益拡大を見込むが具体的な 施策などは未確定であり、数値による算定には至っていないとしている。

ヤフーの株価終値は前日比変わらずの5万4300円。ネットプライスはストッ プ高(値幅制限いっぱいの上昇)となる6万9000円で買い気配のまま終了した。

--共同取材 近藤 雅岐 Editor:Yoshito Okubo、Tetsuki Murotani

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